平成51993)年度 共同研究集会実施報告書

 

課題番号

5−共研−4

専門分類

5

研究課題名

強結合系に於ける時空相関パターンと計算機シミュレーション

フリガナ

代表者氏名

ムナカタ トヨノリ

宗像 豊哲

ローマ字

所属機関

京都大学

所属部局

工学部

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

13 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

多体、少数体の如何によらず、また物理、化学、工学、生物系の如何によらず強く結合した非線形系に於いては種々の時空相関パターンが出現する。
この現象を、計算機シミュレーションで、特に実時間、実空間に於ける統計的手法に重点を置いて解析する研究者が研究発表・討論・意見交換等を行い更成る研究の進展と手法開発のための機会を提供する事を目的とする。


主として物理・化学の分野における、計算機実験(C,E)を中心的テーマとして、平成5年10月25、26日統計数理研究所において研究会を開催した。講演はすべて、強結合系におけるパターン形成、緩和、輸送、カオス等におけるC,Eの役割に集中している。
液体を対象とした5件の発表においては、(1)液体表面での蒸発、凝縮ダイナミクスがC,EとTST理論により解析され、あわせて動力学の迫力ある映像が示された。(2)過冷却液体のβ緩和の時間・空間相関がガラス転移との関連で発表され、また大規模C,Eの現状が報告された。(3)RISM-SCF方程式による溶媒和の量子化学的取扱いが、分子性溶媒中の化学反応を視野にいれて報告され、また(4)量子系のダイナミクスの計算手法と電子移動の研究が、実時間相関の計算を中心に報告され、(5)液体における拡散への2つのアプローチが密度汎関数法、初通過問題と関連づけて報告された。1次元系を対象にして(6)1次元非調和格子の熱伝導と(7)1次元クローン系の電場ゆらぎの2件の講演があり、統計力学の基礎的課題としてのカオスが論議され、また(8)ボロノイ多面体を用いた圧縮法と(9)希薄領域におけるレイリー・ベナール対流−DSMC法によるアプローチでは、高密・低密の両極端の物性もC,Eにより解析されることが示された。
以上種々の興味ある対象が共通の手法で解析され、有意義な研究会をもつことができた。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

片岡 洋右

法政大学

蕪木 英雄

日本原子力研究所

川村 行雄

北海道大学

北原 和夫

東京工業大学

高須 昌子

金沢大学

種村 正美

統計数理研究所

中西 浩一郎

京都大学

能勢 修一

慶應義塾大学

平田 文男

京都大学

船越 満明

九州大学

町田 昌彦

日本原子力研究所

松本 充弘

名古屋大学