平成242012)年度 一般研究1実施報告書

 

課題番号

24−共研−1011

分野分類

統計数理研究所内分野分類

a

主要研究分野分類

8

研究課題名

広域スケールにおける作物生産性の環境応答モデリングへのデータ同化手法の応用

フリガナ

代表者氏名

ヨコザワ マサユキ

横沢 正幸

ローマ字

Yokozawa Masayuki

所属機関

独立行政法人農業環境技術研究所

所属部局

大気環境研究領域

職  名

上席研究員

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

 広域スケールにおける作物の生育と生長の環境応答は,大気,土壌などの環境変動に対して,各環境要因に対する応答機構が相互に関係して現出する.したがって,各要因の応答機構を分離して重ね合わせるだけでは真の応答を評価解析できない.本研究では,そのような環境応答の素過程の効果を,データ同化手法を援用しながらモデルのパラメータにくりこむ手法を開発し,作物生産性の系としての環境応答のモデリングを高度化することを目的とした.
 ダイズ・トウモロコシ・小麦について作物成長モデルを作成し,それらのパラメータを全球の数千のグリッドで作物統計データを利用して推定した,パラメータの推定には,マルコフ連鎖モンテカルロ法を用いた.その結果,上記3作物について全球の数千の空間グリッドのそれぞれについて,過去の収量トレンドと高い相関を示すモデルを作成することができた.全球レベルで過去の統計収量と高い相関を示す作物成長のプロセスベースモデルを実データでパラメータをベイズ推定することによって作成した研究はこれまでになく,今回作成されたモデルを利用することによって将来の作物生産性についてのより確度の高い予測や過去の気候変動の作物の影響などの解析などを行うことができるようになった.

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

G. Sakurai, T. Iizumi, and M. Yokozawa. International Biometric Conference, Kobe, Japan, (2012) 'Correcting CO2 fertilization effect on crop growth using field observation data by Bayesian method'

G. Sakurai, T. Iizumi, and M. Yokozawa. RCN FORECAST Conference 2012, Woods hole, USA, (2012) 'A quantitative estimation of the benefit of atmospheric carbon dioxide elevation during the past few decades to the past crop yield'

櫻井玄・飯泉仁之直・横沢正幸:日本農業気象学会2013年全国大会(2013)「収量統計データを用いた作物モデルのアップスケール - アメリカ・ブラジル・中国を例として -」

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

開催してない

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

飯泉 仁之直

(独)農業環境技術研究所

櫻井 玄

農業環境技術研究所

中河 嘉明

筑波大学

中野 慎也

統計数理研究所