平成71995)年度 共同研究A実施報告書

 

課題番号

7−共研−34

専門分類

4

研究課題名

自立意識調査研究

フリガナ

代表者氏名

タカクラ セツコ

高倉 節子

ローマ字

所属機関

東京国際大学

所属部局

人間社会学部

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

4 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

昨年度に実施した調査(大学8校,短大6校について,1958,'67,
'75,'81,'86,'91の各年次の女性卒業生を対象とし,2800のサンプルについて調査,約1500の回収を得た)結果について,詳細な分析を行い,高学歴女性が抱いている自立意識の様相について,年代,時代,学校,専門分野,及び家庭の状況,選択したライフコース等との関連を把握し,その構造的様相を明らかにしていく。


昨年度に行った、女性の自立意識調査結果(4大8校、短大6校の、'58,'67,'75,'81,'86,'91の6つの年次の女性の卒業生から抽出したサンプル、約3000の郵送調査により得られた1407票の有効回答)に基づくクロス集計等基礎的分析結果を踏まえ、数量化3類,2類等を適用し、より詳細な意識構造の様相を探った。即ち、数量化3類の適用により、女性の自立についての重要項目は、経済的、精神的、家庭における役割、社会性の4つに群化される事がみられたが、男性の自立については、経済的と精神的の項目は、同一群となる事がみられ、自立に関して女性と男性とは区別して考えられており、前者については、4つの別々の視点で捉えられているが、男性については、経済的と精神的の両方が自立に重要であると考えられている事等が解り、これは、他の設問を加えた分析によっても明らかにされた。更に女性の自立について、経済面の重視は職業の有無と、精神面重視は自分の自立の自信と、家庭的役割の重視は、4大・短大別(短大卒に多い)とに、関連の強い事も数量化2類の適用で明らかにされた。
これらの結果は、通常考えられ易い事であるが、数量化法の適用により、計量的に把握できた事は、興味深い事である。この他にも、自立の意識と過去、現在の家族・社会環境、価値観や生き方との関連も明らかになり、自立意識の構造、背景が浮き彫りにされる等、種々の知見が得られた。更に、自由回答の分析を含め、詳細な解析を次年度に行う予定である。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

共同研究リポートとして、平成8年中に発行の予定

高倉節子,Research Concerning the Consciousness of Women's Attitude toward Independence, IFCS-96(Fifth Conference of International Federation of Classification Societies), 1996年3月28日

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

昨年度の研究では,調査の実施,単純集計,クロス集計を終了するに留まった。そこで,本年度は更に詳細な分析を行っていく。即ち,対応分析,対数線型モデル等の適用を始め,種々の要因と自立の意識構造との関連を探る分析が重要であり,この点に関して,貴研究所教官の協力による多変量解析の方法の適用や新たな分析方法の開発が必要であり,このためには,貴研究所の大型電算機の使用も必要となってくる。更に,昨年度実施した郵送調査の調査方法の吟味も行う予定であり,これについても,貴研究所教官の協力が必要である。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

上松 由紀子

関東学院女子短期大学

大隅 昇

統計数理研究所

増子 隆子

(株)シーダー