平成71995)年度 共同研究A実施報告書

 

課題番号

7−共研−114

専門分類

5

研究課題名

第一原理分子軌道法計算による生体分子の性質の研究

フリガナ

代表者氏名

タムラ ヨシヤス

田村 義保

ローマ字

所属機関

統計数理研究所

所属部局

統計計算開発センター

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

3 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

第一原理分子軌道法(以下,ab initio法)は,分子の構造やエネルギー,電子状態などを,精度良く計算できる手法であるが,用いる原子軌道の数の,4乗に比例する計算時間がかかるため,小さな分子にしか適用されてこなかった。並列計算機の利用と,それに最適化したプログラムの開発により,適用範囲の拡大を試みる。


本研究の目的は、分子の構造やエネルギー、電子状態などを精度良く計算できる第一原理分子軌道法計算の適用拡大である。従来、計算機能力の限界によって、本手法の適用は比較的小さな分子に限られてきたが、並列計算機の利用とそれに適したプログラムの開発により、酵素触媒反応など、より大きな系への適用を目指している。
平成7年度は、共同研究の申請が遅かった(平成8年1月)こともあり、実際にSP2を使って作業できた時間が少なかったため、分子軌道法計算の結果は何も出ていない。現在、いくつかのテストプログラムを用いて、プログラムのパラレル化を含めた最適化の技法を学ぶとともに、実際にどの程度の資源、計算時間で、どの程度大きな計算が行なえるか、テストを行なっている。また、分子軌道法計算だけでなく、同様に生体分子の性質を調べる上で有用ではあるが、やはり膨大な計算時間を要する分子動力学計算についても、並列計算機への適用を考え、テストを行なっている。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

例えば,酵素触媒反応の機構の解明など,多数の原子を扱う必要のある問題に,精度の良い ab initio法を適用するためには,計算速度の大幅な短縮が必要である。そのための手段のひとつとして,並列処理計算がある。これによって,これまで低分子の電子状態や,電荷分布の計算などに限られていた,ab initio法の適用範囲が,どれだけ拡大するのかを見極める。ab initio法のプログラムとして,フリーで入手できるHONDAを用い,そのコードを並列計算機用に最適化,SP2を利用することによって,実用的な問題にab initio法を適用する可能性を見極める。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

高岡 雄司

大正製薬(株)

高島 一

大正製薬(株)