昭和611986)年度 共同研究実施報告書

 

課題番号

61−共研−29

専門分類

5

研究課題名

食孔分布パターン評価法に関する基礎研究

フリガナ

代表者氏名

セリ オサミ

世利 修美

ローマ字

所属機関

室蘭工業大学

所属部局

職  名

助教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

3 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

アルミニウムのように局所的に腐食を起こす材料では,食孔(腐食によって生ずる表面の孔)の分布パターンを定量的に評価することが腐食機構を解明する上で重要な解析手段の一つに成り得る。本研究では,アルミニウムの食孔分布と合金成分及び処理環境との関係を調べ,金属材料腐食工学における食孔分布評価法を確立することを目的とする。


アルミニウムの局部腐食の発生,成長のメカニズムについては材料側の多種多様な要因に加え,溶液側の流動的な因子が重畳し,その取扱を非常に複雑にしている。本研究は金属腐食学における新しい研究手段としての腐食分布パターン評価法の確立の提案である。ここでは実際のデータから,Al−Fe合金上に発生する局部腐食の一形態である孔食の発生,成長パターンの評価を試みた。
意図的に鉄添加量を0.32〜1.45wt%に変えた4種類のAl−Fe合金を用い,脱気状態の0.1M食塩水溶液中に浸漬した。10μA/〓の定電流アノード溶解を100時間施し,その表面に生じた孔食の分布状態を『相互作用の最尤法』を用いて評価した。その結果,鉄添加量の少ない試片(0.32と0.59wt%Fe)は,凝集の孔食分布を示し,鉄添加量の多い試片(1.04と1.45wt%Fe)では規則型の分布を示した。この手法を材料劣化判定法の一分野として確立するには更なる実験データの蓄積と整理が必要であるが,現段階では金属材料腐食分野の研究法に対する一つの方向性を提示したものだと思われる。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

1:世利修美,種村正美,田頭孝介:軽金属,37(1987)。
5月号に掲載予定(軽金属学会より連絡有り)
『Al−Fe合金の孔食分布のパターンとその評価』


研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

アルミニウムのように局所的に腐食を起こす材料では,食孔(腐食によって生ずる表面の孔)の分布パターンを定量的に評価することが腐食機構を解明する上で重要な解析手段の一つに成り得る。本研究では,アルミニウムの食孔分布と合金成分及び処理環境との関係を調べ,金属材料腐食工学における食孔分布評価法を確立することを目的とする。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

尾形 良彦

統計数理研究所

種村 正美

統計数理研究所