平成232011)年度 一般研究2実施報告書

 

課題番号

23−共研−2059

分野分類

統計数理研究所内分野分類

g

主要研究分野分類

3

研究課題名

空間疫学における多重性調整のための数値計算法の開発

フリガナ

代表者氏名

クリキ サトシ

栗木 哲

ローマ字

Kuriki Satoshi

所属機関

統計数理研究所

所属部局

数理・推論研究系

職  名

教授

配分経費

研究費

40千円

旅 費

0千円

研究参加者数

3 人

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

[研究目的]
 ある領域の地域のそれぞれについて,事故数や疾病数などの期待度数E[X[i]]が推計されているとする.実際の観測度数X[i]とE[X[i]]の比が他よりも有意に大きい地域をホットスポットという.実際にはホットスポットは,単一地域にとどまらないでクラスターをなすと考えられる.そのため検定の検出力を上げるために,隣接する地域をいろいろな方法で併合し,スキャン検定統計量を求め,その値が大きい地域クラスターを探すことが行われている.
 この問題は典型的な多重検定問題であり,多重性調整p値の計算のためには,ホットスポットが存在しないという帰無仮説のもとでの同時分布の計算を行うことが必要である.この式は一般には高次元和分となり,定義通りに数値計算を行うことは非現実的である.本研究ではマルコフ性を用いた数値和分によって,計算を高速に行う方法を開発することを目的とした.

[研究成果]
 マルコフ性関係 (ジャンクション木) に適合する逐次式を導出し,無条件,条件付の両方の婆について多重性調整p値の計算量を低減できることを確認した.また,グラフのコーダル拡張に関する実際的なアルゴリズムを考えた.これらを組み合わせることにより,多重性調整p値計算のプロトタイププログラムを作成し,その計算時間を評価した.

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

[口頭発表]
栗木哲,高橋邦彦,原尚幸,「空間疫学のp値計算のための逐次計算」,「数理統計学の新たな展開」(科学研究費「計算代数手法に基づく数理統計学の展開」基盤研究 (A) 22240029 (研究代表者:竹村彰通) による研究集会), つくば国際会議場,2011年7月8日.

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

該当なし.

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

高橋 邦彦

国立保健医療科学院

ヘイター アンソニー

University of Denver