平成81996)年度 共同研究A実施報告書

 

課題番号

8−共研−103

専門分類

8

研究課題名

人文・社会科学における「波動理論」の研究

フリガナ

代表者氏名

ヨシノ リョウゾウ

吉野 諒三

ローマ字

所属機関

統計数理研究所

所属部局

領域統計研究系

職  名

助教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

2 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

人文・社会科学の発展の基礎となるべき「測定の一般理論」の展開を認知科学の観点から試みる。特に以下の2点に重点を置く。1)データの尺度の性質を、抽象的な「公理的測定論」の観点と実践的な「測定法」の観点から総合的に考慮する。 2)人間や社会を認知的情報処理システムと捉え、処理能力の理論的限界を考察し理論構成を試みる。


本研究では、人文・社会科学の発展の基礎となるべき「測定の一般理論」の展開を認知科学の観点から試みている。特に以下の2点に重点がある。
1) データの尺度の性質を、抽象的な「公理的測定論」の観点と実践的な「測定法」の観点から総合的に考察する。
2) 人間や社会を認知的情報処理システムと捉え、処理能力の理論的限界を考察し、「相補性原理」に相当する理論構成を試みる。
この研究で特に注目するのは、同じ現象を異なる尺度単位により測定した場合の効果(反応や回答の統計的分布型の変化、安定性)や、異なるスケールサイズの現象を分析するのに必要なデータである。この為に過去に統計数理研究所が収集・蓄積している多様な社会調査データを分析している。
これまで、パネル調査の調査データに着目し社会調査における回答の力動的生成メカニズムを解析し、回答分布をFarey数列との関連を調べている。また、さマスター方式と呼ばれる一般的な統計的方式よりミュレディンガー方程式を導く理論を確認し、これに基づき数理心理学的カテゴリ・スケールの尺度構成を試みてきた。
本年度は、この尺度構成を回答カテゴリー数が2以上の場合のモデルを考察し、他方で、意識調査以外の一般の調査データ分析への応用可能性について追求した。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

ISM Research Memo.No.636.
A Quantum Theory for the Analysis of Public Opinion Survey Data.

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

この研究で特に注目するのは、同じ現象を異なる尺度単位により測定した場合の効果(反応や回答の統計的分布型の変化、安定性)を分析するのに必要なデータデータある。この為に、過去に統計数理研究所が収集・蓄積している多様な社会調査データの利用が有効と思われる。特に着目するのは、パネル調査データであり、これを物理学の量子力学的理論をアナロジーとして、二次分析を進める。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

林 文

東洋英和女学院大学