昭和621987)年度 共同研究実施報告書

 

課題番号

62−共研−64

専門分類

7

研究課題名

ヒトの成長モデルに関する類型化の研究

フリガナ

代表者氏名

ショウホウジ タカオ

正法地 孝雄

ローマ字

所属機関

広島大学

所属部局

総合科学部

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

5 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

(1)成長異常の早期検出などのための成長記録のデータ・バンクの構築を行う。
(2)ヒトの成長模型を模索し,成長異常(肥満児等)を早期に検出するための解析方法等の開発を行う。
(3)マイクロコンピュータのインテリジェント・グラフィック端末化とその有効利用のためのソフトの開発を行う。


・統計学の研究ではパーソナルコンピュータをグラフィック端末化する必要がある。今度は,NEC9801シリーズのパーソナルコンピュータをインテリジェント・グラフィック端末にするプログラムの成作を行い,それを希望者(数十名)に配布した。(全国の数十名の研究者から配布希望の依頼があった。)
・黄色ヒヒの平均体重の成長に一般化ロジスティック型およびゴンパーツ型成長曲線をあてはめた。年令軸を思春期の統計学的発見時期によって調整して成長曲線の直線化を試みた。雌の平均体重の成長パターンは,雄が約160週位いまでは雄のそれに似ており,雌の平均体重は雄の平均体重を追う形となっている,おおむね,雌の初潮時期までは雌の成長は雄の成長を追っている。しかし,思春期に入ると雌雄の成長パターンは全く異って来た。成長速度曲線に対しても同様なことがいえる。
・男子2,567名および女子971名の乳幼児期から成人までの身長の縦断的資料を用いて各個体単位でその個体の成長の特徴づけを行った。思春期に伸びる身長の量は当然ではあるが,思春期発現時年令に非常に関係がある。思春期での身長の月間伸び量の最大は発現時年令には関係していない。各年令に於ける身長の分布を求めた。Count−Gomperly型成長模型のあてはり工合を調べた。
・誕生から大学卒業までの成長記録の収集を継続して行った。約1,200名の女子の身長と体重の縦断的資料をもとにして各人の身長と体重の成長の特徴づけを行った。乳幼児の成長パターンとしてCountの成長模型の改良を行った成長模型

を用いたCount−Gomperly模型とPreece&Baines模型の比較検討を行った。残差平方和やAICなどを用いると前者の模型の方が後者の模型より良くあっていた。さらに,成長過程の各特徴の比較を行った。成長予測を行うためにこれらの資料を基にして,経験的ベイズの手法の適用可能性を検討した。
思春期開始時年令や女子の場合初潮時年令によって成長パターンに異いのあることがわかった。
以上の結果を基にしてこれから詳細な研究を行う必要がある。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

◎Individual growth of stature of Japanese,Growth,51432−450.◎An aspect of growth analysis of weight in savannah baboon.II,Gender comparison by adjusting age,Growth,51:425−431.◎An empirical Baysian approach for individual and average growth curves.Proc.of ISI Satellite Meeting on Biometry.pp.129−136.◎Growth patterns of Japanese stature,Proceddings of the 46th Session of ISI,Sept.8−16,1987.pp.405−406


研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

(1)誕生から大学(含む短大)卒業までの成長記録の収集を続ける。
(2)誕生から成人までの適切な成長模型を求めそれに基づく解析方法の開発を行う。
(3)各個体に対する成長の特徴づけを行い,成長予測などのために健常,要注意,異常成長帯などを設ける。なお,これらに対して線型化などを行い臨床の場でも簡単に使えるようにする。
(4)NEC9800のインテリジェント・グラフィック端末化およびグラフ・漢字端末化のためのソフトウェアはC言語とアセンブラ言語を用いて作成する。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

奥野 忠一

東京理科大学

桑田 正秀

広島大学

駒澤 勉

統計数理研究所

佐々木 紘

広島大学