平成182006)年度 一般研究1実施報告書

 

課題番号

18−共研−1022

専門分類

8

研究課題名

現代アメリカ英語知識人話者のスピーチスタイルと語学的特徴についての研究

フリガナ

代表者氏名

イエイリ ヨウコ

家入 葉子

ローマ字

Yoko IYEIRI

所属機関

京都大学

所属部局

文学研究科

職  名

助教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

本プロジェクトでは、市販されているCorpus of Spoken Professional American Englishを利用し、現代アメリカ英語のスピーチスタイルの研究を進めてきた。このコーパスは、1990年代のアメリカにおける異なる場面における談話を電子化したもので、ホワイトハウスの記者会見、大学での会議、研究者の会合(2種類)でのネイティブ・スピーカーのやり取りを収録している。本研究では、それぞれの場面の談話を話し手の性別によってさらに分割し、場面と性別がどのように言語の特徴に関わっているかを分析した。年度内に分析の対象としたテーマは大きく三つに分けることができる。
まず一つ目は、強意の副詞としてのveryとreallyおよびrealについての分析である。すでにveryとreally, realの使い分けが場面の違いに密接に関わっていること、またそれぞれの副詞が修飾する形容詞がさらに名詞を修飾しているかどうかが性別によって微妙な頻度の差異を示していることなど、興味深い研究成果が得られている。本テーマの分析結果は、現在、論文として執筆中である。
第二番目に、人称代名詞の使用の実態が、場面や性別によって違ってくるかという問題を扱った。人称代名詞のうち、I, me, youの頻度が、自由に発言をすることのできるような会議形式の場面になるほど増えることや、それぞれの人称代名詞が起こる言語的環境が場面や性別との関連で異なることも、明らかになった。本テーマの研究成果は、当該研究に関する情報源のところに示すように、すでに公刊済みである。
第三番目に、発話者が入れ替わる場面で、どのような言語的特徴が見られるかを分析した。比較的フォーマルな場面では、I, my, we, our, well, the, noのような語を発話の導入部分に使用する傾向が見られることや、女性がinteractiveな語を使って自分の発話を始める傾向などが、すでに明らかになっている。本テーマの研究成果は、2007年5月に英国ストラトフォード・アポン・エイヴォンで開催されるICAME2007で口頭発表の予定である。

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

<2006年度中に公刊の論文>
家口美智子・家入葉子・馬場康維. 2007.「アメリカ知識人話者の公の会話における人称代名詞 I と you の使用のジェンダー差について」 『社会言語科学会第19回大会発表論文集』 pp.116-119.

<2006年度中に行った口頭発表>
家口美智子・家入葉子・馬場康維. 「アメリカ知識人話者の公の会話における人称代名詞 I と you の使用のジェンダー差について」 社会言語科学会第19回大会ポスター. 2007年3月3日. 日本大学文理学部.

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

該当なし

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

馬場 康維

統計数理研究所

家口 美智子

摂南大学