平成262014)年度 一般研究2実施報告書

 

課題番号

26−共研−2053

分野分類

統計数理研究所内分野分類

e

主要研究分野分類

8

研究課題名

PM 2.5,黄砂の健康影響の評価における疫学・生物統計手法の研究

フリガナ

代表者氏名

ノマ ヒサシ

野間 久史

ローマ字

Noma Hisashi

所属機関

統計数理研究所

所属部局

データ科学研究系

職  名

助教

配分経費

研究費

40千円

旅 費

44千円

研究参加者数

2 人

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

PM2.5,黄砂などの中国を中心とした東アジアの大気汚染の問題は、連日、マスコミによって報じられている通り、年々、深刻さを増している。本邦においても、これらの大気汚染曝露が人の健康にどのような影響を与えるかは、極めて重要な問題であるが、これらの問題における疫学的なエビデンスはまだ十分に確立されていない。特に、黄砂の健康影響についての疫学研究は、ごくわずかしか報告がなされておらず、公衆衛生的な対策を行うためにも、十分な科学的根拠の確立は喫緊の課題であるといえる。
これらの問題における根幹的な問題のひとつに、大気汚染の健康影響を評価するための計量的・科学的な方法論に精通した疫学者・生物統計家の協同・貢献が十分に進められていないことが挙げられる。本研究では、本邦における先進的な大気汚染の疫学研究において、海外で普及している高度な研究デザインや統計解析手法を適用することによって、より質の高い疫学的なエビデンスを確立することを目的とする。また、これらの疫学研究をモチベーションとして、新たな疫学・生物統計手法の開発を行う。これらの研究を通して、本邦の環境政策・公衆衛生政策に還元できる研究成果を上げることを目標とする。
本年度は、山陰地方における黄砂・PM2.5の健康影響に関する疫学調査を実施し、本邦における大気汚染疫学の最新のエビデンス作りに尽力した。これに並行して、上記の方法論的研究を振興した。まだ具体的な成果となるものとしては、研究の途上にある段階と言えるが、来年度以降、継続して、論文業績などの形として、これらの成果を発表していくことができるように研究を進めていく予定である。

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

Watanabe, M., Noma, H., Kurai, J., Sano, H., Saito, R., Abe, S., Yamasaki, A., Kimura, Y., Aiba, S., Oshimura, M. and Shimizu, E. (2015). Decreased pulmonary function in schoolchildren in western Japan associated with interleukin-8 induced by Asian desert dust. BioMed Research International 2014: Article ID 583293.

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

特になし。

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

渡部 仁成

鳥取大学