平成162004)年度 共同利用登録実施報告書

 

課題番号

16−共研−4

専門分類

3

研究課題名

フラクタル次元を用いた地磁気データ解析

フリガナ

代表者氏名

カワグチ アツシ

川口 淳

ローマ字

Kawaguchi Atsushi

所属機関

久留米大学

所属部局

バイオ統計センター

職  名

PD研究員

所在地

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研究目的と成果の概要

相関次元は,カオス的現象のフラクタル次元を測る尺度としてGrassberger and
Procaccia(1983)によって提案された。Kawaguchi(2002)は相関次元をU-統計量を用
いた最小二乗法により推定することを提案した。その提案した手法を地磁気データ
へ適用し,相関次元推定値の変化を利用してオーロラ発生時間の検出を行うことを
目的とした。
 次のような成果を得た。
 地磁気データから相関次元推定値を求めると,推定値がオーロラ現象の発生と対
応する時点で急落するという知見を得た。この知見を利用すると,ある時間帯にオ
ーロラ現象が発生したのか否かの判別を行うことが出来ることに着眼した。概要は
次のようである。はじめに,その波形によりオーロラ現象が識別されやすいデータ
を利用して,相関次元推定値とオーロラ現象が起こっている(+1)または起こってい
ない(-1)という値との組み合わせで表される学習ベクトルを構成する。次に,この学
習ベクトルを使ってサポートベクトルマシンと呼ばれる手法で判別関数を構成す
る。開発した手法の数値的評価をするために,学習データを用いて判別成功率を計
算したところ,88.7%という結果が得られ開発した手法の有効性を示すことができ
た。