平成21990)年度 共同研究実施報告書

 

課題番号

2−共研−31

専門分類

5

研究課題名

分子動力学法の統計的諸問題

フリガナ

代表者氏名

タネムラ マサハル

種村 正美

ローマ字

所属機関

統計数理研究所

所属部局

調査実験解析研究系

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

5 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

多数の粒子から成る系の統計力学的性質を明らかにする計算機実験の方法の一つとして分子動力学法があり,それを適用した研究成果が各種の分野で多数発表されるようになってきている。これは近年の計算機ハードウェアの著しい発達と呼応している。分子動力学法は,モンテカルロ法とは違って決定論的に運動方程式を解く手法であるためか,潜在する種々の統計的問題が見過ごされることがまだ多い。本研究の目的は,分子動力学法に関係して現われる種々の統計的問題を系統的に整理して,関連研究者に問題の所在と解決策を提示することである。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

分子動力学法による計算機実験における統計的な問題点の整理を昨年度に続いて行なう。この問題点は計算機実験のもう一つの方法であるモンテカルロ法とも共通するものもあり,計算機実験全般に瓦る立場で考察する。
ソフトコア系,ハードコア系(剛体球粒子系),Lennard−Jonesポテンシャル系などの相互作用ポテンシャルのもとで分子動力学法による計算機実験を実際に行なって,(熱力学的)統計量の粒子数依存性,境界条件依存性などを調べる。
通常の分子動力学法は全エネルギー一定のミクロ・カノニカル集団を実現する方法であるが,最近,一定の温度でカノニカル集団を実現する方法,一定の圧力の下でカノニカル集団を実現する方法がよく用いられている。この方法および関連する手法における問題点を,昨年度に引続き明らかにしていく。
以上の問題を統計的に解明するために,統計数理研究所において開発されたソフトウェア・統計的手法が必要である。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

上田 顯

京都大学

小川 泰

筑波大学

荻田 直史

(株)日本電算企画

松田 博嗣

九州大学