平成172005)年度 一般研究2実施報告書

 

課題番号

17−共研−2015

専門分類

2

研究課題名

統計解析システムにおける並列計算機能の開発

フリガナ

代表者氏名

ヤマモト ヨシカズ

山本 由和

ローマ字

Yamamoto Yoshikazu

所属機関

徳島文理大学

所属部局

工学部

職  名

講師

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

4 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

本研究の目的は,統計解析システムのための並列計算機能の研究開発である.特に次の2つの特徴がある.
1. 一般に,並列計算に利用される計算機は,共有型メモリ型と分散メモリ型に分けることができる.本研究では,これら2種類の計算機が混在した計算機群でも効率よく並列計算を行えるようにする.そのために,共有メモリ型計算機には搭載しているCPUの数や性能に応じた仕事を割り当てるようにする.分散メモリ型計算機では,それぞれの処理能力やアーキテクチャやOS (Operating System)が異なっていても,その能力に応じた仕事を割り当てるようにする.このような仕組みを実装するために,分散共有メモリシステムを利用した.
2. 簡単に利用できるようにするために,計算プログラムを記述する言語と計算サーバにおいてプログラムの同期を検討する.計算プログラムは,1台の計算機を利用する場合から並列計算への変更をできるだけ少なくすることを考える.並列計算では,計算を行う複数の計算機に必要なプログラムを送り付けなければならない.この作業をユーザが行わなくても統計解析システムが行うようにした.
このような目的を実現するために,われわれが開発を行っている汎用の統計解析システムであるJasp (JAva Based Statistical Processor)に並列計算機能を追加した.
共有メモリ型計算機,同じ機種の分散メモリ型計算機,そして,分散メモリ型異機種計算機を利用して簡単なプログラミングによって効率的な並列計算が行えるかどうかの実験を行った.このとき,処理能力の低い計算機にも並列計算の一部を行わせることによって計算時間を短縮できた.しかし,この機能は,まだ完全なものではないために改善が必要であると考えている.例えば,計算プログラムを簡単に書くことはある程度実現でキアが,並列計算において利用するすべての計算機においてJaspを起動する必要があるなどの問題がある.このような点を改良して使いやすい機能にする予定である.

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

・ A Network-Oriented Statistical System. In 55th Session of the International Statistical Institute, Sydney, 2005.
・ 統計解析システムJaspのネットワークユーザインタフェース. 日本計算機統計学会第19回大会, pp. 133− 136, 2005.
・ 統計解析言語における数式表現の利用. 2005 年度統計関連学会連合大会, pp. 414−415, 2005.
・ 統計システムJaspにおける地理情報解析. 日本計算機統計学会第19 回シンポジウム, pp.43−46, 2005.

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

小林 郁典

徳島文理大学

中野 純司

統計数理研究所

本多 啓介

総合研究大学院大学