平成262014)年度 共同利用登録実施報告書

 

課題番号

26−共研−1

分野分類

統計数理研究所内分野分類

a

主要研究分野分類

2

研究課題名

平成26年度 [逐次モンテカルロ法の並列アルゴリズム]

フリガナ

代表者氏名

キタガワ ゲンシロウ

北川 源四郎

ローマ字

Kitagawa Genshiro

所属機関

情報・システム研究機構

所属部局

新領域融合研究センター

職  名

新領域融合研究センター長(情報・システム研究機構 機構長)

 

 

研究目的と成果の概要

 一般状態空間モデルは広範な非線形・非ガウス型時系列に適用可能な汎用モデルであり,逐次モンテカルロ法はその状態推定のための実用的方法である.ただし,複雑な大規模システムへの適用には並列計算が不可避であり,並列計算機上で効率よく乱数を用いたリサンプリングを実現するアルゴリズムの開発が必要である.これまでに既に,直接並列化,単純並列MCF,交差を伴う重み付き並列MCF,移植を伴う並列MCFのアルゴリズムを開発し,AISM(2014) "Comoutational aspects of sequential Monte Cerlo filter and smoother"に発表したが,交差や移植を伴うアルゴリズムに関しては多くの選択肢があり,更なる研究によって改良の可能性が残されていた.
 平成26年度には,特に,移植の方法やそのパラメータのチューニングを行い,従来方法との比較を行った.従来法と比較して,ある程度の改良は得られたが,論文にまとめるには至っていない.2方向フィルタによる平滑化アルゴリズムを多次元モデルの場合に適用し平滑化を効率よく,かつより精度よく計算する方法について帯広畜産大学の姜教授と検討を行ったが,まだ開発途上の段階である.
 並列化アルゴリズムの応用として,関東地方の地震観測アレイデータ処理への適用を検討し,アレイデータの自動処理のためのモデリングや計算法の研究を行った.