平成101998)年度 共同研究A実施報告書

 

課題番号

10−共研−41

専門分類

5

研究課題名

複雑系の相転移のシミュレーション

フリガナ

代表者氏名

オノ イクオ

小野  郎

ローマ字

所属機関

日本女子大学

所属部局

理学部

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

4 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

1.液晶の相図を分子動力学を用いて調べる 2.コロイド状分極ラテックスの凝集過程のシミュレーション 3.ぬれ転移の秩序変数に関する数値的研究 4.ヘモグロビンの磁性と飽和曲線の模型の研究


1.分極したLATEX粒子の凝集過程
LATEX粒子をコロイド状にした液体に電場をかけると,コロイド粒子が分極し,鎖状に繋がり,液体の粘性が大きく変わる現象を電気粘性効果という.分極粒子の双極子相互作用と液体のブラウン運動を考慮して,LATEX粒子のモンテカルロシミュレーションを行った.実験と同じような,電場方向に伸びた鎖が形成されることが確認された.
2.液晶混合体の相転移
棒状の液晶分子と球状の分子の混合体の相転移を分子動力学で調べた.棒状分子の混合比が多く,スメクテック相では,球状分子は層間に分布し,球状分子の比が多いときは,棒状分子と球状分子が互いに集まって,相分離することが,認められた.
3. ぬれの状態において生じる界面の長さを計算することによって,ぬれ転移の有無とその転移点を明確に決めることができるとわかった.


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

小野いく郎 " 分極したラテックス コロイド粒子系の凝集過程のシミュレーション" 日本女子大学紀要 No7 1999年3月
櫻井由樹子・小野いく郎 "2種分子の混合系における液晶相転移のシミュレーション" 日本物理学会98'秋の分科会予稿集 (於 琉球大学) 53 no.2(3) 843 (1997)

大原玲美子・小野いく郎 "分極ラテックス粒子系の凝集のシミュレーション III" 春季第46回応用物理学関係連合講演会 99.3.28
加園克己 "かごめ格子上の古典ダイマー問題の解" 日本物理学会第53回分科会(琉球大学)1998年9月

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

1.棒状の剛体分子の集団が互の衝突によって、等方相・ネマチック相・スメクチック相、コラムナー相が出現する、多数の分子の動力学を行う 2.強い電場中におかれたラテックスのコロイド溶液で粒子が分極し特異な凝集過程が実験で示されている。このシミュレーションを行う 3.ぬれ転移の秩序変数を考案し、そのシミュレーションを行い、転移特性を調べる 4.ヘモグロビンの模型のシミュレーションを行う 以上プログラムの開発とスーパーコンピュータを必要とする計算なので田村氏と共同研究の要がある。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

加園 克巳

東京慈恵会医科大学

田村 義保

統計数理研究所

山縣 敦

日本女子大学