平成272015)年度 重点型研究実施報告書

 

課題番号

27−共研−4106

分野分類

統計数理研究所内分野分類

j

主要研究分野分類

9

研究課題名

学校教育における統計教育内容の系統性

重点テーマ

統計教育の新展開II

フリガナ

代表者氏名

フジイ ヨシノリ

藤井 良宜

ローマ字

Fujii Yoshinori

所属機関

宮崎大学

所属部局

教育文化学部

職  名

教授

配分経費

研究費

40千円

旅 費

212千円

研究参加者数

5 人

 

研究目的と成果(経過)の概要

学校教育における統計教育については,現行の学習指導要領へと変わる際に量的にも質的にも充実された。この改訂においては,根拠に基づいて説明するという数学教育の大きな課題と連携する形で,単なる統計的な整理に終わるのでは無なく,それを私たちの生活に生かすことが目標となっていた。しかし,これまでの教育内容と大きく異なっていることもあり,教育現場での戸惑いも多かった。また,教育内容においても,小学校,中学校,高等学校のつながりやそれぞれの発達段階に合わせた教育内容になっていない部分も少し見られた。
現在,学習指導要領改訂へ向けた議論がすすめられており,この議論の中でも統計教育の内容は重要視されている。ただ,算数や数学の時間数の充実は難しい状況にあるため,その教育内容を系統性を考えながら,整理していくことが常用になると考えられる。本研究では,小学校や中学校の教育内容を系統性の面からとらえ,よりスムーズに教育できるようにすることを目的としている。そこで,平成27年3月に行われた統計教育の方法論ワークショップで発表をした内容をどのような形で実施していくべきかという点について研究を進めてきた。特に,小学校段階での柱状グラフと中学校段階でのヒストグラムの内容的な重なりや高等学校での箱ひげ図の指導を中学校で行うことの可能性などを検討してきた。また,確率の指導が現在中学2年生で初めて学習しているが,そのベースとなる学習があまりされていない点などを今後改良していくことの必要性などを議論している。
今後は,学習指導要領の改訂に合わせて,このような提案を積極的に行っていく予定である。
また,このような検討の際に,統計教育にとっては学校教育だけでなく,生涯教育としての視点も必要であることが明らかになり,学校教育や大学教育において,統計教育に対する積極的な態度を育成していくことの重要性が話題になった。そこで,この積極的な態度をはかる質問紙調査であるSATSの日本語翻訳版を作成した。今後はこの尺度の特性分析等についても研究を進める予定である。

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

平成28年3月に行われた第10回統計教育の方法論ワークショップにおいて,以下の発表を行った。
「統計に対する態度を測る調査票 日本語版SATSの作成と今後」
木根,藤井,渡邊,アダチ,川北

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

研究会等は実施していない。

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

木根 主税

宮崎大学

田村 義保

統計数理研究所

松元 新一郎

静岡大学