平成11（1999）年度　一般研究１実施報告書

課題番号	11−共研−1004	専門分類	3
研究課題名	臨床における経時データの解析
フリガナ 代表者氏名	ヤフネ アキフミ 矢船 明史	ローマ字	Yafune Akifumi
所属機関	北里大学
所属部局	大学院薬学研究科臨床薬学研究センター
職　　名	講師
所在地
TEL		FAX
E-mail
URL

研究目的と成果（経過）の概要

本年度の研究では,まず昨年度までの本共同研究を引き継ぐ形で,Bootstrap法を利用したパラメー
タの信頼区間推定を行い,その結果を従来からの漸近正規性に基づいて推定された信頼区間と比較検
討を行った。その結果,臨床試験から得られるデータのように,一被験者からのサンプル数が限られ
ている場合には,従来からの漸近正規性に基づく信頼区間推定には問題が生じる危険性があることが
示唆された。この研究結果は,Statistics in Medicineに二つの論文として掲載された。
　次に,やはり昨年度までの本共同研究の課題でもあった,Kullback-Leibler情報量に基づく測定時点
の選択という問題に付いて,本年度も引き続き研究を行い,その結果を現在Statistics in Medicineに投
稿中である。なお,以前に同様なアプローチを行った結果をCommunications in Statisticsに発表した
が,その内容を本年度の「統計数理」特集号に紹介した。
　最後に,昨年度までの研究成果を実際の臨床試験から得られた血中薬物動態のデータに適用し,そ
の結果をJapanese Journal of Pharmacology and Therapeuticsに発表した。
　次年度以降は,本年度の研究で残された課題について,さらに研究を進めるとともに,解析結果の
頑健性,Robust Estimationという点を新たな研究課題に加えた上で,本共同研究を継続する予定であ
る。

当該研究に関する情報源（論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等）

1)Yafune,A.and Ishiguro,M.(1999).Bootstrap approach for constructing confidence intervals for population
pharmacokinetic parameters.I:A use of bootstrap standare error,Statistics in Medicine,18,581-599.
2)Yafune,A.and Ishiguro,M.(1999).Bootstrap approach for constructing confidence intervals for population
pharmacokinetic parameters.II:A bootstrap modification of standard two-stage(STS)method for phase I
trial,Statistics in Medicine,18,601-612.
3)Yafune,A.,Haito,H.and Takebe,M.(1999).Population pharmacokinetic approach with Monte Carlo
integration for clinical phase I trial of pilocarpone HCl tablet,Japanese Journal of Pharmacology and
Therapeutics,30,423-433.
4)矢船明史,石黒真木夫,北川源四郎。(1999).Kullback-Leibler情報量による薬物動態測定時点の選
択,統計数理,47,343-358.

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

研究参加者一覧
氏名	所属機関
石黒 真木夫	統計数理研究所