平成61994)年度 共同研究A実施報告書

 

課題番号

6−共研−58

専門分類

7

研究課題名

適度な運動と健康教育を中心とした健康増進運動とその効果の把握に関する研究

フリガナ

代表者氏名

マチダ カズヒコ

町田 和彦

ローマ字

所属機関

早稲田大学

所属部局

人間科学部

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

4 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

数十年後の日本は人類がかつて経験しなかった超高齢化社会を迎える。そのため、抜本的な保健活動の改革と年をとっても元気で生きがいのある生活を送れるような活動を推進する必要がある。これらの目的のために、基礎体力の向上、食生活の改善、余暇のすごし方などの健康指導を中心とした住民運動を推進する調査を企画した。


目的:数十年後の日本は人類がかって経験しなかった超高齢化社会を迎えようとしている。そのため、抜本的な保健活動の改革と年を取っても元気で生きがいのある生活を送れるような活動を推進する必要がある。そのために、基礎体力の向上、食生活の改善、余暇の過ごし方などの健康指導を中心とした住民運動を推進する調査を企画して、昨年の予備調査を経て、今年度は指導前の状況把握を試みた。
方法:埼玉県狭山市の老人クラブ会員150名(男:85名、女:65名、平均年齢 72。2±5。5才)を対象として各種ライフスタイルに関するアンケート調査(生活習慣、嗜好習慣、運動習慣、健康状態、既往症、食生活、ストレスに関する調査など)、生理機能測定(血圧、握力、肺機能、肥満度、尿検査等)および血液検査(15項目の血清生化学検査、貧血検査、好中球貪食・活性酸素産生試験)を実施した。 
結果:1。食品摂取状況はおおむね良好であったが、特に80歳代が良かった。食品摂取状態の良好な人は好中球の貪食・殺菌能の間に強い正の相関がみられたばかりでなく非刺激時試験で低い活性酸素産生能を示した。また、栄養に関係している血清中ALB,TPやCaの高い人は好中球貪食・殺菌能が有意に高値を示した。
2。喫煙習慣のない人や男の小量の飲酒者は良好な好中球機能を示した。
3。週5回以上の運動習慣を持っている人はストレス度が有意に低値を示した。
4。悩みを解消する手段を持っている人は持っていない人に比べ好中球の貪食・殺菌能の間に有意な相関関係を認めた。
5。女の睡眠時間は男より1時間位少なかった。6時間以下の睡眠時間の人は男女ともに非刺激時活性酸素産生が高値を示した。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

西城千夏、町田和彦、高木廣文他:高齢者のライフスタイルと生体防御機能に関する疫学的研究(第1報)狭山市高齢者のライフスタイルの特性、(第2報)ライフスタイルの好中球機能に与える影響 日本公衆衛生雑誌投稿予定

町田和彦・西城千夏:高齢者のライフスタイルと活性酸素産生能 第15回健康教育世界会議(1995・8・20ー25)発表予定

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

第一年目は調査地域の現状を把握する目的で、各種面接調査(環境調査、運動、栄養調査、自覚調査、問診など)、10数項目からなる臨床生化学検査と生体防御検査、さらに、健康手帳(病気の記録と医療費の記録)の配布などを行う。1993年度の第1回調査は主に老人クラブ会員250名の調査を行ったが、今年度はさらに非会員で団地に住んでいるような孤独な老人を100名ほど追加して両者の相違を中心として適度な運動、嗜好品を含めた適切な栄養指導を行い、それらの対象者の健康度の変化を一年目と同様な各種検査を行うことにより把握する。これらを長期間(8−10年間)追跡調査することにより個人はもちろん、集団の疾病構造の変化や医療費の変化を調べる。このような膨大なデータの解析は信頼の於ける統計の専門家の協力が不可欠である。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

栗山 孝雄

早稲田大学

佐久間 淳

埼玉県立衛生短期大学

高木 廣文

統計数理研究所