平成71995)年度 共同研究A実施報告書

 

課題番号

7−共研−106

専門分類

9

研究課題名

安全性評価における推定方程式に基づく推論

フリガナ

代表者氏名

ヤナギモト タケミ

柳本 武美

ローマ字

所属機関

統計数理研究所

所属部局

領域統計研究系

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

9 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

安全性評価のためのデータについて,観測が各対象について継続的になされる。継続観測データの解析はモデルが複雑なために,尤度推論が提案されていた。もう少し頑健な手法を構成するために,推定方程式と尤度推論を併せた手法が期待される。


推定方程式の理論は尤度方程式を簡便化にすることによってロバストネスが期待されることが狙われてきた。近年時系列解析を縦断的データ解析として新たな展開を見せている。分散の構造から平均の構造に視点を変える。またダイナミックスの構造の仮定からより柔軟なモーメント構造の仮定に置き換えられる。モデルのズレによる非一致性を避けることを主眼として、極限の効率性を重視しない。安全性評価における GEE の適用を論じあった。
薬の再審査・再評価と役割について考察した。そして現行の問題点を指摘した。より具体的な問題として Phase 3 と PMS における副作用の出現率の比について、その推定方法を含めて研究している。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

柳本武美: 推定方程式に基づく推定−最尤法とモーメント法から、応用統計学、24巻1号、1-12.
柳本武美: 統計データの処理、数理情報科学事典(朝倉書店).

Yanagimoto, T. : Smoothing as simultaneous estimation, with applications,ASA アトランタ支部, 1996年3月25日.

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

自己回帰モデルはモデルに依存し,GEEなどの推定方程式に基づく手法はその有用性が定かではない。当面考えられるのは典型的なモデルについて,推定方程式でのテクニックを適用することである。モデルとしてはGLMと自然連結関数が尤もらしい。推定量の導出にはモデルの構造を旨くとらえる必要がある。また実際に適用するためには継続観察データなど,データの蒐集と深く結び付けて問題を設定しておく必要がある。
研究対象は理論と適用の両面に亘るので統計数理研究所でないと扱い難いと思われる。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

大瀧 慈

広島大学

越智 義道

大分大学

椿 広計

筑波大学

林 眞

衛生試験所

藤井 良宜

宮崎大学

藤田 正一郎

放射線影響研究所

山添 史郎

滋賀大学

山本 英二

岡山理科大学