平成212009)年度 一般研究1実施報告書

 

課題番号

21−共研−1015

分野分類

統計数理研究所内分野分類

i

主要研究分野分類

5

研究課題名

抵抗低減壁乱流の大規模数値シミュレータの開発

フリガナ

代表者氏名

タマノ シンジ

玉野 真司

ローマ字

Tamano Shinji

所属機関

名古屋工業大学

所属部局

大学院工学研究科 機能工学専攻 エネルギー分野

職  名

助教

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

近年、省エネルギー化の観点から、流動摩擦の抵抗低減に関する研究が注目されてきている。有望な流動摩擦抵抗低減手法として、界面活性剤を抵抗低減添加剤として使用する方法と、壁面に微細な凹凸を施す方法とが挙げられる。これまでの実験的研究により、界面活性剤を流動中に微少量添加すると、著しい抵抗低減効果(約70%の抵抗低減率)が得られることが明らかにされている。また、壁面微細溝構造による抵抗低減効果については、流れ方向に並んだ微細な溝とリブを有する壁面において約10%の抵抗低減効果が得られることが明らかにされている。しかしながら、これらの抵抗低減メカニズムについては十分に解明されておらず、実験に対応した数値シミュレーションによるメカニズムの解明が求められている。本研究では、昨年度に引き続き,界面活性剤添加ならびに壁面微細溝造による抵抗低減壁乱流の大規模数値シミュレータの開発を行った。
?界面活性剤添加による抵抗低減壁乱流の数値シミュレーション
レオロジー特性が異なる構成方程式Oldroyd-Bモデル、Giesekusモデル、ならびにFENE-Pモデルを用いた数値シミュレーションを行った。抵抗低減効果に最も影響を及ぼすワイセンベルグ数を変化させることにより、実験的研究では解明が非常に困難な抵抗低減効果とレオロジー特性との関係を明らかにした。さらに、高ワイセンベルグ数での数値シミュレーションにおいては、従来よりも主流方向領域を2〜4倍に広げることで、これまで調べることが出来なかった最大抵抗低減領域(DR約70%)における乱流の大規模な組織構造の詳細について明らかにした。

?壁面微細溝造による抵抗低減壁乱流の数値シミュレーション
 壁面に微細なリブ構造を有する2平板間のチャネル乱流の大規模数値シミュレーションを実行した。流れ方向に溝とリブが真っ直ぐに並んだ場合、および波状に並んだ場合において抵抗低減効果を比較した。その結果、波状リブレットにより、従来の真っ直ぐなリブレットよりも高い抵抗低減効果が得られる可能性があることを明らかにした。

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

論文発表:
Shinji TAMANO, Motoyuki ITOH, Shintaro HOTTA, Kazuhiko YOKOTA, and Yohei MORINISHI, Effect of rheological properties on drag reduction in turbulent boundary layer flow, Physics of Fluids, Vol.21, No.055101, 2009, pp.1-12.

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

該当なし

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関