平成91997)年度 共同研究A実施報告書

 

課題番号

9−共研−85

専門分類

7

研究課題名

体力測定の信頼性評価に関する研究

フリガナ

代表者氏名

マエダ タダヒコ

前田 忠彦

ローマ字

所属機関

統計数理研究所

所属部局

調査実験解析研究系

職  名

助手

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

2 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

体育測定の分野では,同一種目の繰り返し測定データが得られる機会が多い。この種のデータに対して(計量心理学分野で用いる意味での)信頼性を評価する方法が必要とされるが,体育測定の分野で標準化された手続きが確立されているわけではない。本研究では中学生の体力測定のデータを用い,計量心理学的な手法を援用して,繰り返し測定型のデータに対する有効な分析方法を研究することを目的とする。


本研究は,中学生の体力測定のデータを用い,計量心理学的な手法を援用して繰り返し測定型のデータに対する有効な分析方法を研究し,体力測定の信頼性を評価するための手法を提案することを目的として行われた。主要な検討点は以下の2点である。
1. 各測定項目に関し2回の測定が行われており,このデータ特性を配慮しつつ複数項目間の関係を仮説検証的なアプローチに基づいて分析する方法の考察とその適用。
2. 各測定項目は中学3年間にわたって追跡調査されており,このデータ特性を考慮した分析法の考察とその適用。
第1点について,関与する変数が少ない小規模なデータに対して適合の良好なモデルを得た(前田(1997)下記学会口頭発表参照)が,モデル制約の適切性に対する疑念が生じたのため,その点に関する理論的な検討及び検討点2に関する考案を中心に検討を進めた。
検討点1に対する提案モデルは,確認的因子分析モデルに各種制約を入れたものであり因子分析モデルの性質からパラメータ推定法によっては制約の入れ方に注意が必要であるが,考え方に関する変更は不要であるとの結論を得た。
検討点2に対しては検討点1に有効なモデルの自然な拡張をどう行うかが焦点となるが,結論は未だ得られていない。
平成9年度中に十分検討を尽くせなかった点も残されたため,本課題は平成10年度にも引き続き共同研究として上記2の点を中心とした検討を行う予定である。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

・前田忠彦(1997)「特殊因子を分離するための確認的因子分析」日本教育心理学
会第39回総会 1997年9月24日。

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

[研究内容]中学生を対象とする既存の体力測定データに基づき研究を行う。データの特性に合わせた以下の2点に関して平成8年度から継続して検討するが,9年度は特に第2の点に関するデータの整理と分析モデルの検討を中心に研究を進める。1.各測定項目に関し2回の測定が行われており,このデータ特性を配慮しつつ複数項目間の関係を仮説検証的なアプローチに基づいて分析する方法の考案とその適用。2.各測定項目は中学3年間にわたって追跡調査されており,このデータ特性を考慮した分析法の考案とその適用。[共同研究の必要性]体育測定の専門家でありこれまで同種のデータに関する分析経験が豊富でデータの性質に関して熟知している稲垣と心理測定の専門家である前田とアイデアを交換し,緊密な協力の下に研究を進めることが必要である。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

稲垣 敦

大分県立看護科学大学