平成252013)年度 一般研究2実施報告書

 

課題番号

25−共研−2063

分野分類

統計数理研究所内分野分類

f

主要研究分野分類

3

研究課題名

新生児の自発運動の解析

フリガナ

代表者氏名

ナカノ ジュンジ

中野 純司

ローマ字

Nakano Junji

所属機関

統計数理研究所

所属部局

モデリング研究系

職  名

教授

配分経費

研究費

40千円

旅 費

78千円

研究参加者数

7 人

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

 生まれて間もない時期の乳児の動きに脳神経系の発達過程が反映されているという考え方は小児神経学の分野で報告されており、そのような乳児の全身の動きは general movements (以下GMs)と名づけられている。GMsには正常なパターンと異常なパターンがあり、継続的に異常なGMsを認める場合には、神経学的後遺症が示唆される。発達障害のリスクの高い早産児をあつかう臨床現場では、GMsの客観的・定量的な評価方法の確立とともに、その背後にある運動発達のメカニズムを明らかにすることが強く求められている。本研究では定性的に定義されるハイリスク乳児のGMsの特徴を、ビデオ画像と統計的手法を用いて定量的に捉えることが目標である。
 我々はこれまでに、極低出生体重児におけるwrithing GMs、およびfidgety GMsを撮りため、さらに予定日前後におけるGMs診断で異常性が認められた対象児の3歳と6歳時点のフォローアップデータを蓄積してきた。3歳時点での診断において、脳性麻痺や広汎性発達障害などの発達障害児が含まれることが明らかになった。ビデオデータを元にしたいくつかの統計的な指標を提案し、それらが診断に与える影響を調べた論文を発表することができた。
 ただ、これまでの検討から、専門家(理学療法士)の目視によるGMs異常診断の性質を捉えるようなビデオデータからの統計量を見つけることは予想以上に難しいということも経験した。そのため、これまでに提案した統計量の解析を進めつつ、今年度からは新たに乳児に対してよく知られている発達指標も考慮することにした。そしてこれらと注意欠陥多動性障害や広汎性発達障害などの診断結果の間の統計解析に取り組みはじめた。

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

Kanemaru, N., Watanabe, H., Kihara, H., Nakano, H., Takaya, R., Nakamura, T., Nakano, J., Taga, G. and Konishi, Y. (2013) Spontaneous movements in preterm infants at term age are associated with developmental delays at 3 years of age, Developmental Medicine & Child Neurology, 55, 713-721, doi:10.1111/dmcn.12156.

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

すべてデータ検討および研究打ち合わせ
2013年6月4日10:00-17:00・八重洲ダイビルサテライトオフィス・6人
2013年9月26日10:00-17:00・八重洲ダイビルサテライトオフィス・8人
2013年11月9日10:00-17:00・八重洲ダイビルサテライトオフィス・8人
2014年2月22日10:00-17:00・八重洲ダイビルサテライトオフィス・9人

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

木原 秀樹

長野県立こども病院

小西 行郎

同志社大学

多賀 厳太郎

東京大学

高谷 理恵子

福島大学

中野 尚子

杏林大学

渡辺 はま

東京大学