平成212009)年度 重点型研究実施報告書

 

課題番号

21−共研−4204

分野分類

統計数理研究所内分野分類

j

主要研究分野分類

2

研究課題名

Rにおける教育用プラグインの整備および開発

重点テーマ

統計教育の新展開

フリガナ

代表者氏名

ハシモト ノリコ

橋本 紀子

ローマ字

Noriko Hashimoto

所属機関

関西大学

所属部局

経済学部

職  名

教授

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

8 人

 

研究目的と成果(経過)の概要

 平成20年3月、小・中学校の新指導要領が発表された。統計学に関連する授業内容は既に平成10年の改訂で大きく削減されていたが、改訂により平成10年以前と比しても充実した内容が盛り込まれることとなった。また、授業でのPCの積極的な利用が前提とされることとなった。このような変更が効果を上げていくためには、小中学校で統計教育を行う際のモデル授業、児童・生徒が興味を持つデータ、そして教師にとっても操作しやすいソフトウェアの準備・提供が不可欠である。
 本研究は、このような時代の要請、今回設定された重点テーマ「統計教育の新展開」に対し、小・中学生が統計学を学んでいく上で効果を発し、誰もが容易に利用・操作でき、視覚的に児童・生徒に統計学の有用性や面白さを訴えかける統計教育用ソフトウェア環境の整備・開発を行った。ソフトウェア環境としてはフリーソフトウェアRおよびそのGUI環境であるRコマンダーに着目し、
1) フリーソフトウェアRで動く統計教材については、すでに英語圏の国々を中心に多数が提唱されてきている。これらを整理し、日本における教育に適するよう整備・改良を行った。
2) Rコマンダーにはプラグインという形で、独自に新機能をグループ化する形で組み込んでいくことができる。そこで、算数・数学だけでなく社会や理科の時間にも利用可能な機能(グラフや表)をまとめ、日本でデータに関わる科目の教育に必要な独自プラグイン(RcmdrPlugin.DA
  ToolsforKids)の開発を行った。
3) RおよびRコマンダーの入手方法あるいは利用方法から始め、上記の統計教材や統計教育プラグインを紹介し、利用できるよう説明するwebページの構築を行った。
なお、今後とも、RやRコマンダー上で動くプラグインの充実を継続して図っていく。成果はwebページを通じ公開し、また、PC等の操作が苦手な教員をも対象に、RおよびRコマンダーやその統計教育プラグインについて説明、操作の実習を行う説明会(講習会)の開催をはかり、Rやその統計教育プラグインの普及に努めていきたい。

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

荒木孝治・橋本紀子・長畑秀和「R コマンダー上で動く、統計教育用プラグインの開発」 (日本行動計量学会第37回大会(於大分大学医学部)、2009年8月5日発表)

荒木 孝治・長畑 秀和・橋本 紀子「RおよびRcmdrを利用した教育用プラグインの開発」(第 6 回 統計教育の方法論ワークショップ 社会の期待に応える統計教育の構築−「資料の活用」から「データの分析」をどう教えるのか−、2010年3月5日発表)

橋本紀子・長畑秀和・荒木孝治『Rにおける教育用プラグインの整備および開発』(統計数理研究所共同研究リポート249)

http://www.ec/kansai-u.ac.jp/t902375/toukei/ にてRcmdrPlugin.DAToolsforKidsおよびその使用法の説明等を公開(現在準備中)

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

「算数・数学嫌いの生徒・学生に、データ分析に親しんでもらうためには」(2009年9月11日(金)16時から18時、関西大学橋本研究室、5名)

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

荒木 孝治

関西大学

江口 真透

統計数理研究所

北浦 義朗

(財)関西社会経済研究所

多田 透

関西大学

田中 孝憲

大阪大学

長畑 秀和

岡山大学

渡辺 美智子

東洋大学