平成222010)年度 一般研究1実施報告書

 

課題番号

22−共研−1011

分野分類

統計数理研究所内分野分類

d

主要研究分野分類

7

研究課題名

統計的日本人研究のための調査法の基礎的な検討 ― 新しい質問文の検討

フリガナ

代表者氏名

サカモト ヨシユキ

坂元 慶行

ローマ字

Sakamoto Yoshiyuki

所属機関

統計数理研究所

所属部局

職  名

名誉教授

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

統計的日本人研究には、第1に、日本人の意識動向の解明、第2に、社会調査法の研究、第3に、統計的解析法の研究という、3つの目的があり、これら3つの目的を三位一体的に研究することが重要であるが、この研究では、主として、第1の研究目的の日本人の意識動向の解明に資する質問文の諸問題について考えることを目的とした。すなわち、最新の2008(平成20)年の第12次国民性調査でも、意識に関する質問に対する回答結果の変化は数字上は大きくはなかったが、他方で、回収率は国民性調査史上最低を記録した。その主因は「拒否」の激増にあったが、「拒否」はサンプルの意志表示であるから、この点では大きな意識変化があったことをうかがわせる。意識の変化は本当に小さかったのか、それとも、質問文の陳腐化等、他の要因によるのか、それとも、そもそも、意識の変化は数値的に正確に捉えられているのか、等について再度検討することを目的とした。また、格差問題等、これまで国民性調査であまり分析されてこなかった領域の社会的な諸問題に関しても、新しい意識動向を描き出し得る質問文について検討することを目標とした。具体的には、以下の点について検討した。
1.2008(平成20)年の「第12次 国民性調査」の結果もまじえた総合的な分析に基づき、回収率の低下がもたらす問題点、特に、回収率の低下がもたらす調査結果の歪みが質問によってどう違うか、等の問題について考察した。
2.格差社会、少子化、高齢化社会等、最近の社会現象についての、計量・非計量両面にわたる新しい分析や研究成果をレビューして、意識の新しい動向を捉え得る質問文について考察したが、成案を得るには至らなかった。なお、今年度は、特に、「階層帰属意識」の規定要因についても再考した。

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

坂元 慶行 (2010).「統計的日本人研究雑感 ? ある国民性調査係の36年の思い出」, 『統計数理』,58巻1号,61-82頁.

坂元 慶行 (2010).「日本人の国民性調査」,『社会と調査』,第5号,112頁.

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

特になし。

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

土屋 隆裕

統計数理研究所

中村 隆

統計数理研究所

前田 忠彦

統計数理研究所

松本 渉

関西大学