平成202008)年度 一般研究2実施報告書

 

課題番号

20−共研−2007

分野分類

統計数理研究所内分野分類

a

主要研究分野分類

4

研究課題名

地上観測データとGPS衛星観測データの統合によるプラズマ圏密度全球分布推定

フリガナ

代表者氏名

カワノ ヒデアキ

河野 英昭

ローマ字

KAWANO HIDEAKI

所属機関

九州大学

所属部局

大学院理学研究院・地球惑星科学部門

職  名

准教授

配分経費

研究費

40千円

旅 費

60千円

研究参加者数

4 人

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

地球のまわり、電離層の外側には、プラズマ圏と呼ばれる領域が広がっている。この領域は、地球磁力線に沿って電離層から流れ出したプラズマによって満たされている。このプラズマ圏のダイナミックな変動の様子を調べる事は磁気圏物理の重要なトピックであり、その為に、プラズマ圏プラズマの密度の3次元分布を知る事は重要である。
その密度分布を知る為の方法の一つに、GPS−TEC(下に説明)のデータを使用する方法がある。GPS(Global Positioning System)衛星は、現在全30機 同時運用されており、地球に向けて電波を送っている。それを地上の観測点で受信すると測位が出来るが、それ以外にも、衛星−観測点を結ぶ線上でのプラズマ電子密度の積分量:TEC(Total Electron Contents)を求められる。
一方、別の方法として、地上での磁場観測データを使う方法もある。すなわち、地球磁力線が振動するとそれを地上磁力計で観測する事ができ、その振動の周波数(以下fとする)は磁力線の「重さ」、すなわち「磁力線に沿ってプラズマ質量密度を積分した値」(この量を以下Mとする)に反比例するので、磁力計で観測したfからMが推定できる。
以上の2種のデータが与えるのは、求めたい3次元プラズマ密度分布に対して、異なる方向に沿っての積分値である。すなわち、GPS-TEC データでは衛星と受信機間の線上の積分値、地上磁場観測データでは地球磁力線沿いの積分値である。そこで、本研究では、「fのデータセットとGPS−TECデータセットを組み合わせて、両データの特性を生かしたトモグラフィー的手法によってプラズマ圏プラズマ密度3次元分布を推定する」方法を開発することを目的とする。
2008年度終了までに、fのデータをGPS−TECのデータと統合する具体的計算手続きについて、本研究の共同研究者と議論し、その計算法の基本的な考え方、及びその基本的な計算手順、を新たに考案する事が出来た。これは今までに他所で報告されていないものである。

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

JST/CREST(データ同化)及び統計数理研究所共同研究による第2回 データ同化研究ワークショップ
・ 日時: 平成20年12月12日 (金) 14:00 - 18:00
・ 場所: 統計数理研究所 新館1階セミナー室
http://daweb.ism.ac.jp/info/workshop12122008.html
において上記の成果を発表した。

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

上野 玄太

統計数理研究所

中野 慎也

統計数理研究所

樋口 知之

統計数理研究所