平成クオ1989)年度 共同研究実施報告書

 

課題番号

クオ−共研−15

専門分類

2

研究課題名

統計データ解析エキスパートシステムの構成法に関する研究

フリガナ

代表者氏名

ウチナミ セイイチ

打浪 清一

ローマ字

所属機関

九州工業大学

所属部局

情報工学部

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

9 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

統計データベースシステムにエキスパートシステムを導入すると使い易いシステムが構成できると期待される。そこで,一昨年はトップダウン的に要求分析を行った。昨年は,システム分析,システム設計を行った。本年度は対象を限定してシステムの詳細設計を行い,パイロットシステムを作成,基礎実験を行い,その構成法を明らかにすることを目的とする。


本年度は研究会を2度開催した。
第一回は,統計解析相談システムの概観と,試作システムの紹介(中野氏),統計手法選択相談システム(林氏),統計データベースの量適設計法(小林氏),また,オブジェクトデータベースが最近話題になっているので,欧米のオブジェクトデータベースシステムの概観(佐藤氏),オブジェクトモデル,オブジェクト指向言語の紹介(硴崎氏)と,オブジェクト指向言語処理系の試作経験談と問題点の提起(刈谷氏)を聞き,オブジェクト指向統計データベースシステムのあるべき姿について全員で討議した。また,黒板型エキスパートシステムであるART+についての機能の概説(打浪氏)とそれを用いての統計エキスパートシステムの実現について全員で討議した。
第2回は,統計エキスパートシステムについて,システム分析と討論を行った。
重回帰分析支援システム(中野氏),解析手法選択の方法論(垂水氏),統計ソフトウエアと利用者インターフェイス(田村氏),プロダクションシステムとフレームシステムのサンプルプログラムと実演(硴崎氏),黒板型統計エキスパートシステムに関する話題提供(打浪)の各発表と,全員でシステム設計に関する討論を行った。
統計データでは,解析してゆくに従い,解析値が追加されてゆく。これをオブジェクトとして考えるとどのようにモデル化すればよいのかで議論が分かれた。
黒板型のエキスパートシステムの試作に於いては,統計パッケージとのリンクや基礎統計知識に関する部分は後回しにして,最適統計手法を選択するメカニズムの稼働実験を行うのがよいとの結論になった。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

Y.Kobayashi,H.Ikeda,“Statistical data model and semantics,Proc.of World Conference on Information Processing/Communication,1989,pp438−443
Y.Kobayashi,A mathematical study on statistical database designs,to appear in Hiroshima Mathematical Journal
中野純司,山本由和,岡田雅史
重回帰分析支援システムRASSの概要
日本品質管理学会 第37回研究発表会 2.5.12


研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

前年度において,統計エキスパートシステムを作成する為に,統計に関する知識,機能等について分析,システム分析,システム設計を行った。
その結果,必要知識としては,手法毎の目的用途,適用例,異常値の検出法と判定基準,プログラムの要求データ構造と出力統計結果等が必要であることが分かった。本年は,ある対象を限定し,これらの機能を含むパイロットシステムの詳細設計を行い,試作,構成法を明らかにすると共に,試作システムの改善,普及を計る。
会合してシステム設計を行うと共に,各自で得意な分野の研究を分担する。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

硴崎 賢一

九州工業大学

刈谷 丈治

山口大学

小林 康幸

島根大学

佐藤 英人

東京国際大学

田村 義保

統計数理研究所

中野 純司

統計数理研究所

松田 孝子

石巻専修大学

力宗 幸男

神戸商科大学