平成51993)年度 共同研究A実施報告書

 

課題番号

5−共研−16

専門分類

1

研究課題名

確率分布の漸近展開と近似法に関する研究

フリガナ

代表者氏名

シミズ リョウイチ

清水 良一

ローマ字

所属機関

統計数理研究所

所属部局

職  名

所長

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

2 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

複雑な形をした確率分布を簡単で標準的な分布の回りで展開することによってより簡単な計算が可能になる。この研究は主として尺度混合を施すことによって一般化された確率分布を基本になる分布の回りで展開し、合わせてその近似誤差を明確にしようとするものである。


この研究は主として尺度混合を施すことによって一般化された確率分布を、基本になる分布の回りで展開し、合わせてその近似誤差を明確にしようとするものである。本年度はいくつかの特殊化と精密化および展開の多様化を目指したが、この内で多様化に関して若干の結果を得た。多様化とは正規分布やガンマ分布以外の分布の混合に関する展開が1つ、さらに、これまでの経験から同じ尺度混合に関して幾つかの展開が可能であることが分かっており、これらについての整理をすることがもう1つの問題である。
確率変数Xとs(>0)は互いに独立とする。Xの尺度混合分布Y=sXの分布関数FをXの分布Gの回りで展開する。一次元の場合については、対称なG及びG(0)=0であるようなGについて、形式的にはある程度一般的な展開法とその誤差評価を与え、さらにその特別な場合として、ごく自然と思われるそれぞれ2種類についてやや詳細に論じた。さらにGが正規分布およびガンマ分布の場合について数値的な検討を行った。
Xが多変量正規分布、sがランダムな行列の場合ついては、昨年度までに得られたものを改訂した。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

An Improvement on Error Bounds for Asymptotic Expansions of the Distribution Function of a Scale Mixture Variate,Research Memorandom,No.505,December,1993 (R.Shimizu and Y.Fujikoshi)
Expasion of the scale mixtures of the multivariate normal distribution with error bound evaluated in L1-norm.,to appear in Journal of Multivariate Analysis,1994 (R.Shimizu)


研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

これまで一変量正規分布、ガンマ分布及び多変量正規分布の尺度混合を中心に研究を進めてきて、ある程度の成果を得ている。特に最後のものについては昨年度に一応の成果が得られた。
本年度はいくつかの特殊化と精密化および展開の多様化を目指す。多様化とは正規分布やガンマ分布以外の分布の混合に関する展開が1つ。さらに、これまでの経験から同じ尺度混合に関して幾つかの展開が可能であることが分かっており、これらについての整理をすることがもう1つの問題である。特殊なケースについてはより精密な誤差評価が可能な筈であり、これらについても突っ込んだ議論をしておきたい。いずれにしても、これまで続けて来た共同研究のまとめを始めたいと考えている。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

藤越 康祝

広島大学