平成91997)年度 共同研究A実施報告書

 

課題番号

9−共研−2

専門分類

1

研究課題名

システム故障の統計的推測について

フリガナ

代表者氏名

フタツヤ マサオ

二ツ矢 昌夫

ローマ字

所属機関

弘前大学

所属部局

理工学部

職  名

助教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

3 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

システムの信頼性の研究では、システムを構成しているコンポーネントの故障確率がすべて既知のときに、そのシステムの故障しない確率(信頼度)を求める方法などが多い。ここでは、コンポーネントの故障データが打ち切りなど実用的なかたちで与えられているときのシステム故障に関する統計的推測について研究する。また、システムの基礎的なことについても研究する。


システムに関連した2つの問題について研究を進め、いくつかの結論を得た。その1つは、コンポーネントの寿命が互いに独立で同一分布に従う次のようなシステムを考えている。
最初に、 2-out-of-3 システムを考え、次にこの 2-out-of-3 システムをコンポーネントとする 2-out-of-3 システムを考え、これを次々にm回繰り返したシステムを考える。
このシステムの寿命について、初期のコンポーネントの寿命が一様、指数、正規分布に従うときの密度関数、期待値、分散等を求めた。
また、このシステムの故障データ(大きさ1)に基づいた初期の分布の中央値(対称分布のときは平均値)の不偏推定についてもふれている。
これらは、一般に順序統計量の順序統計量として扱われ、下記の(1)の”ある多段順序統計量について”にまとめている。
もう1つは故障率の異なるn個のコンポーネントからなり、これらのコンポーネントの最小の故障率をもつシステムについて考慮した。
ここにおいては、それぞれのコンポーネントの故障のデータが二項分布で与えられているときに、このシステムの故障率を点推定する問題を取り扱っている。この点推定のために3つの推定量、標本最小出現率、偏り修正推定量、AIC推定量を考慮し、偏り、平均平方誤差等を数値計算で求め、検討した。これは(1)の”最小出現率の推定”にまとめている。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

高橋・二ツ矢,”ある多段順序統計量について”,石巻専修大学研究紀要 第9号 1998年
高橋・二ツ矢,”最小出現率の推定”,石巻専修大学研究紀要 第7号 1996年

高橋・二ツ矢,”最小出現率の推定”,日本統計学会,1997年7月25日

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

今年度はシステムの分類など基礎的な点も取り入れ研究を進める。システムの故障という点から考えると、いつ起きるか、どの期間に主に起きるか、ある時点まで起きるか起きないかなどということが興味ある問題となる。このような観点より、昨年は主にコンポーネントの故障が指数分布に従うときの予測区間を求めてみた。今年度はもっと幅を広げ、点予測、0ー1予測なども行い、指数分布以外についても検討する。また、システム、打ち切りのモデルは数多くの実際的な例題を収集し、新たなモデルも加えながら検討していきたいと考えている。以上の研究を進めるために、多くの基礎的な文献、資料および検討していただく人材を有する統計数理研究所との共同研究が必要である。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

高橋 宏一

石巻専修大学

平野 勝臣

統計数理研究所