平成182006)年度 一般研究2実施報告書

 

課題番号

18−共研−2022

専門分類

5

研究課題名

統計グラフのためのJava言語によるライブラリの開発

フリガナ

代表者氏名

ヤマモト ヨシカズ

山本 由和

ローマ字

YAMAMOTO Yoshikazu

所属機関

徳島文理大学

所属部局

工学部

職  名

講師

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

50千円

旅 費

130千円

研究参加者数

4 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

本研究の目的は,統計グラフ表示プログラムのためのライブラリの開発である.このライブラリの特徴は,対話的な操作を行える統計グラフの表示プログラムを簡単に作成できる,既存のアプリケーションに組み込める,Webアプリケーションとしても利用できる,使用する計算機に依存しない,などである.
いろいろな統計グラフが,既存の統計解析ソフトウエアや表計算ソフトウエアを利用すると容易に表示することができる.しかし,これらのソフトウエアでは表示できない統計グラフを描きたい場合には,JavaやC++のような一般的なプログラミング言語を利用してプログラムを作成することになる.このような言語を利用して作成されるプログラムは,(1) CUI (Character User Interface) だけを利用する,(2) GUI (Graphical User Interface) を利用する, (3) 点や線の表示を行うプログラム, に分類することができる.まず,CUIだけを利用するプログラムは,ファイルからデータを読み込んで計算結果をファイルに書き込んだり文字として表示したりするものである.このプログラムは,プログラミングとしては簡単である.次に,メニューやボタンなどの部品を利用したGUIを利用するプログラムは,オブジェクト指向プログラミングの考え方やイベント処理を考慮しなければならない.最後に,作成したウインドウ内に点や線を描くプログラムは,イベント処理に加えて座標変換なども考慮しなければならないために最も複雑である.
本研究のライブラリを利用することによって,(3)の面倒なプログラムを(2)のプログラム程度に簡単にすることができる.そのために,統計グラフを構成する線や点表示する部品を作成して,これらの部品を組み合わせることによってプログラムを作成できるようにした.これらの部品には,点や線をマウスで操作するための処理も持っているために,イベント処理を処理するプログラムを作成する必要が無い.さらに,これらの部品を汎用的で再利用可能なものにするためにデザインパターンを考慮して設計した.もちろん,このライブラリの利用者はデザインパターンの知識を必要としない.
また,本研究のライブラリを利用すれば,ファイルからデータを読み込んでグラフを描くプログラムを作成することや,われわれが開発を行っている汎用の統計解析システムであるJasp (Java based statistical processor)やRに組み込んでグラフを描くことができる.
本研究のライブラリは,Java言語によって実装しているために,Javaを利用できる計算機であれば,利用可能である.

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

・ Java library for interactive statistical graphs. Spring Conference of the Korean Statistical Society, Korea, 2006.
・ 対話的統計グラフのためのJava ライブラリ. 日本計算機統計学会第20回大会, pp. 159-162, 2006.
・ CCmaps と平行座標プロットを用いた地理情報解析. 2006年度統計関連学会連合大会, pp. 13, 2006.
・ http://jasp.ism.ac.jp/Jasplot/

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

小林 郁典

徳島文理大学

中野 純司

統計数理研究所

本多 啓介

総合研究大学院大学