平成61994)年度 共同研究A実施報告書

 

課題番号

6−共研−30

専門分類

4

研究課題名

自立意識調査研究

フリガナ

代表者氏名

タカクラ セツコ

高倉 節子

ローマ字

所属機関

東京国際大学

所属部局

人間社会学部

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

5 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

昨年度に引き続き、自立意識の研究を進める。女性の社会進出が著しく、自立意識は若い世代ほど定着しているように見られるが、その事が、家族の脆弱化に関連しているのではないかという事も、しばしば指摘されている。家庭における人間関係の調和と、各構成員各々の人間性の開花とに、自立意識がどのように関連しているかを探っていく。


女性の自立意識について、調査を行った。女性の意識の主導的役割を果たすであろう、4年制大学、及び短期大学(首都圏)の卒業生に焦点を絞った。大学は、公立2校、私立6校短期大学は、私立5校(教養系:2,職業系:3)とした。卒業年次は、ライフサイクル、過去の調査による意識の変化期、等を勘案し、'58,'67,'75,'81,'86,'91 年各年3月即ち6年次の卒業生を対象とし、郵送調査を行った。
質問項目は、a.自分の自立状態、自立意識の基盤要素、b.性差の問題、家事育児の担い手、c.就業状況(現在、過去)、収入の使途、就業意欲、d.社会活動、e.親への依存度、自己決定力、f.一般的な意見(国民性調査から),g.高齢時の住居状況、h.フェースシート項目(結婚状況、家族環境、生育環境、就業状況、学歴、ライフコース、等)の枠組みにおける設問である。
配布数(サンプル)は予算の関係から 2825とし、回収率の低い若い年次に多く割り当てた。(持ち戻りは314) 有効回収数は、1407,回収率は、短大より、4大の方が、そして、卒業年次では古い方が高率であった(4大,'58年卒では74%,短大,'91年卒では41%,全体で51.6%)。
調査結果の分析は、クロス集計の終了のみであるが、自立の意識は、4大・短大の別、卒業年次、結婚状況、家族構成、就業状況等によって、異なることが明らかであった。今後、多変量解析等により、a.項目群の回答から自立意識を類型化し、更に他の項目群との関連を踏まえ、自立意識の深層構造を明らかにしていく。(なお、本調査の実施は、東京女性財団の助成研究費により行った。)


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

平成7年度:共同研究リポートに、「女性の自立意識研究」として発表予定


研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

自立意識の調査に当たっては、分析を見透した調査計画が必要であり、この点に関して貴研究所の教官の協力、助言が必要である。そして、昨年度同様、年代や性別による差異を明らかにしながら、意識構造を解明するため、対応分析、対数線型モデル等の適用を始め、要因構造と外的基準とを絡み合わせた分析も重要であり、この点に関しても貴研究所・教官の協力による多変量解析の方法の適切な適用や新たな分析方法の開発も必要である。
昨年度の調査をプリテストとし、本年度は質問表を更に推敲し、家族の関係性と自立との関連を焦点とした調査を行う計画であり、昨年度との対比を踏まえた分析を予定している。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

大隅 昇

統計数理研究所

中田 美子

(財)埼玉県高齢者生きがい振興財団

藤巻 静代

松蔭女子短期大学

増子 隆子

(株)シーダー