平成101998)年度 共同研究A実施報告書

 

課題番号

10−共研−29

専門分類

3

研究課題名

複雑な粘弾性要素で変調された時系列の統計的応答特性

フリガナ

代表者氏名

ハラ ヒロアキ

原 啓明

ローマ字

所属機関

東北大学

所属部局

大学院情報科学研究科

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

7 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

複雑な媒質内における時系列の振る舞いを調べる目的で,粘性と弾性の要素で複雑に構築した人工的”な体系(システム)による時系列の変調を解析する。 逆に,この解析から興味ある出力を生成するシステムのデザインを試みる。 また,試作したシステムの統計的応答特性も調べる。


複雑な体系に発生する不規則現象の解析法の一つに、非整数次ブラウン運動(fBm)と見て、リーマン・リュービル(RL)積分表示を利用する方法がある。本研究の目的は、粘弾性物質をモデルとして、RL積分表示の積分核を構築することにある。同時にシステムの動的応答特性を複雑な伝達関数によって変調された出力として解析した。モデルの構築は、粘性を表すダッシュポットと弾性を表すバネを新しいスケール則を満たす設計法によって行った。この解析法に基づき、観測データから不規則の性質を予測できる標識が、逆問題として定式化された。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

原啓明、李相錫、小幡常啓、田村義保、複雑な粘弾性物質のモデル化と逆問題:Riemann-Liouville積分表示、統計物理46No.2(1998)


研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

これまで,共同研究として,複雑な粘弾性物質をスプリングとダッシュポットの要素から構成し,この体系に,ホワイトノイズを入力した場合,出力として観測されるノイズの統計的応答特性を解析し,幾つかの興味ある知見を得た。今回は,これらの解析をさらに進めて,時系列モデルとして基本的な AR-,MA-モデルを入力した場合,出力として観測される”変調された時系列”の統計的応答特性を,システムを規定する物理量(粘性,弾性とスケーリング因子)と AR-,MA- のパラメータによって定式化する。 また,これらの物理量とパラメータの関係も調べる。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

池田 展敏

東北大学大学院

小幡 常啓

群馬工業高等専門学校

施 招雲

統計数理研究所

田村 義保

統計数理研究所

  輝

統計数理研究所

Lee Sang Seok

東北大学大学院