【研究目的】
大規模経済情報に関するデータベースの蓄積が進んできた結果、これまで測定できなかったため推測の域を出なかった経済活動に関するデータに基づいた分析が可能となってきている。更に、データの背後に横たわる物理過程を考慮したデータ分析を行うための、物理的観点からのモデル化と実証分析を行う「経済物理学」と呼ばれる分野が形成されつつある。本研究集会では、経済物理学とその周辺分野の研究者の分野横断的交流を通じて、異分野間で得られつつある研究に関する知見の情報交換と共同研究体制の醸造を目的として開催を行っている。
【成果(経過)】
本年度は2010年9月3日〜4日に統数研立川キャンパスに於いて、第1回研究集会を行い,参加者は40名位であった.また,2010年3月23-24日に金沢学院(金沢サテライトキャンパス)で第2回研究集会を開催し、20名の参加者があった。
【プログラム抜粋】
統数研・共同研究集会「経済物理学とその周辺」H21第1回研究集会
2010年9月3日(金)Session 1 (10:00-12:00) 座長:田中美栄子(鳥取大院工)
1)「世界各国の企業サイズに観られる冪則と生産関数」石川温(金沢学院大),他
2)「住宅価格分布からみたバブルの特徴」大西 立顕(キヤノンIGS,東大経済), 他
3)「RMTによる乱数生成器の評価」田中美栄子(鳥取大工)
Session 2 (2:00−3:30)座長:石川温(金沢学院大)
4)「交通流・経済現象・気候変動からみる原因と結果の判定基準」坂東昌子,市川憲人(NPOE)
5)「株価・為替レート時系列のパターンエントロピー時系列による特徴づけ」石崎龍二(福県大)
6)「コミュニティ階層構造の抽出手法と企業間取引ネットワークへの応用」飯野隆史(新潟大)
Session 3(4:00−5:30) 座長:増川純一(成城大学)
7)「企業間取引ネットワークによる企業成長のモデル化」水野貴之(一橋大),他
8)「日本市場の日中実現ボラティリティ分布の解析」高石哲弥(広島経済大)
9)「Long Memory in Finance and FRactional Brownian Motion」黒田耕嗣(日本大学)他
2010年9月4日(土)Session 4(10:30−12:00) 座長:石井晃(鳥取大工)
10)「ヒット現象の数理モデルを用いた地域活性化へのアプローチ」松本武洋(鳥取大工)
11) 「ヒットの数理モデルにおける「うわさ」による映画フィッティングの比較」松田直也A、新垣久史AB、石井晃A、吉田就彦B(鳥取大工A、デジタルハリウッド大B)
12) 「ブログデータを用いた人間の集団現象の統計的性質」佐野幸恵(日大),他
Session 5(2:00−3:30) 座長:田村義保(統数研)
13)「混雑のプライシングと顧客満足度評価」大塚一路(東大先端研、内閣府 ESRI),他
14)「47都道府県産業連関表を使ったエコロジカルフットプリントの研究」山崎和子(情報大)
15)「NeuroIsing: towards alternative financial engineering」クリス・ザパート(統数研)
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統数研・共同研究集会「経済物理学とその周辺」H22年度第2回研究集会プログラム
2011年3月23日--3月24日 金沢学院大学
2011年3月23日(水)Session 1 (14:00-15:30) 座長:田中美栄子(鳥取大)
1)「企業サイズの冪分布とCobb-Douglas型生産関数」石川温(金沢学院大)、他
2)「都市人口のクラスタ解析」藤本祥二(キャノンIGS、金沢学院大),他
3)「国内ホテル予約可能性の統計分析」佐藤彰洋(京大院情報),他
Session 2 (15:45−17:15)座長:山田健太(東工大)
4)「AR(1)モデルを用いたランダム相関行列の固有値分布」新井優太(新潟大院自然),他
5)「株価市場における相関・反相関関係の粗視化」吉川丈夫(新潟大院自然),他
6)「RMTによる時系列相関行列の固有値分布を用いた乱数度評価法の検討」田中美栄子(鳥大)
2011年3月24日(木)Session 3 (10:00−12:00)座長:水野貴之(筑波大)
7) )「The Emergence of El-Nix{02dc}no as an Autonomous Component in the Climate Network」K. Yamasaki(東京情報大)、A. Gozolchiani、S. Havlin(バーイラン大学)
8)「タイムラグのあるRMTを使った地震波の研究」鄭澤宇、山崎 和子(東京情報大)
9)「株価・為替レートにおける複数時系列のパターン・エントロピー」石崎龍二(福岡県大)
10)「株式市場における群れ行動の検証とモデル」増川純一(成城大)
Session 4 (14:00-15:30) 座長:増川純一(成城大学)
11)「ニュースの発生頻度とコモンショック」水野貴之(筑波大)、他
12) )「連検定を用いた市場価格変動の相関の検出」大西立顕(キヤノンIGS&東大経済)、他
13)「ブログから観測される流行伝搬とニュース効果を再現するエージェントベースモデル」
山田健太(東工大)、佐野幸恵(日大理工)、高安秀樹(ソニーCSL)、高安美佐子(東工大総理工)
14)「ヒット現象の数理モデルによる映画興行、地域イベントの解析」石井晃(鳥取大院工)
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