平成212009)年度 一般研究2実施報告書

 

課題番号

21−共研−2046

分野分類

統計数理研究所内分野分類

f

主要研究分野分類

2

研究課題名

ネットワーク流通データの実践的利活用に関する研究

フリガナ

代表者氏名

ミナミ ヒロユキ

南 弘征

ローマ字

MINAMI, Hiroyuki

所属機関

北海道大学

所属部局

情報基盤センター

職  名

准教授

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

4 人

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

インターネットに代表されるコンピュータネットワークは社会インフラとしての位置を確立したが、不正アクセスやウイルス感染など,安定した運用を妨げる事象が多く発生しており,これらのいち早い検出,障害の解消がエンドユーザからは当然のように期待されている.しかしながら,巷間流通している対策製品の多くは,既知のインシデントを符号化し,パターンマッチング的に適用することで障害を検出,フィルタリングするもので,未知のトラブルに対する効能は期待しにくいほか,動的な対応をとりにくいことが示唆される.
代表者は,インターネット技術の向上に関するプロジェクト内のワーキンググループより,比較的低位のネットワーク通信データの要約値の提供を受ける契機に恵まれ,これまでにも相応の研究成果を報告してきたところであるが,今般,同プロジェクトの規模縮小などに鑑み, 通信原データの提供を新たに受けることができた.これに基づき,従来は概観的にしか解析できなかったトラフィックデータに対し,代表者らが手がけている関数データ解析,シンボリックデータ解析などの,高次多変量データ指向の解析手法を適用し,新たな知見を得るとともに,これら解析手法の実データへの適用可能性と限界,また,解釈の妥当性についても多角的に検討を加えることを研究の目的とした.
通信現データはその性格上,きわめて大量で、かつ欠損も多いことなどから、シンボリックデータ解析の着想を積極的に活用することを意図し,シンボリックデータ解析の拡張を行い,実データへの適用という観点から,本研究の推進を行うこととした.その結果、シンボリックデータ解析に関する発展的研究として相応の成果を得ることができた.通信現データのクリーニングなどは終えているが,展開されたシンボリックデータ解析技法の実適用には残念ながら至ることができず,また,現データそのものの扱い方についても,新たな観点からの検討を要するものと考えられたため,以上を継続課題として,次年度においても研究を推進する所存である.

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

豊田健志・小宮由里子・南 弘征・水田正弘
地球環境問題に関するアンケート調査データの解析
日本計算機統計学会第23回大会論文集,123-126.

片山琴絵・南 弘征・水田正弘
分布値データに対するシンボリッククラスタリングについて
2009年度統計関連学会連合大会講演報告集, 50.

高橋一磨・南 弘征・水田正弘
分布値で表されたシンボリックコンセプトの判別問題について
2009年度統計関連学会連合大会講演報告集, 51.

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

清水 信夫

統計数理研究所

高橋 一磨

北海道大学大学院

浜田 惇

北海道大学大学院