平成272015)年度 一般研究2実施報告書

 

課題番号

27−共研−2059

分野分類

統計数理研究所内分野分類

f

主要研究分野分類

7

研究課題名

公的産業統計調査結果による経済低成長期の企業投資による産業構造変容の解析手法に関する実証研究

フリガナ

代表者氏名

フルズミ ヒロキ

古隅 弘樹

ローマ字

Furuzumi Hiroki

所属機関

兵庫県立大学

所属部局

経済学部

職  名

准教授

配分経費

研究費

40千円

旅 費

129千円

研究参加者数

11 人

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

 バブル経済崩壊以来つづく経済の低成長期における産業構造の変容の解析手法を公的企業統計の調査結果を用いて実証研究を行う。とりわけ、産業構造変化の要因と考えられる設備投資や研究開発投資が企業の所属産業をどのように変えるかを明らかにしたい。
 産業は通常それに属する事業所の総体として日本標準産業分類を使用して定義されるが、産業を構成する個々の事業所はそれを統括する企業の経営意思によって活動状況を変化させている。つまり、産業構造の変動は企業活動の側面と生産活動の両側面を併せ捉える必要がある。
 企業活動とその生産活動については財務諸表データからある程度の動向を知ることが出来る。とりわけ賃金と技術変化の基の設備投資は当該企業の現在および近未来における付加価値の生産活動に使用されうると想定できる。さらに、その設備投資にかかる要因は研究・開発投資に求めることができるが、その因果関係を観察可能な統計データは存在しない。しかし、衰退もしくは繁栄産業で生み出された利益から、どのような産業に先行投資されるかを分析し産業構造の変容を議論することはできる。これまでに実施されてきた事
業所ベースの産業統計および企業統計の調査結果から、これらの関連性の追求可能性を検討し、解析手法を検討する。
 さらに産業構造の変容の把握の産業表章分類体系のあり方の検討は、国民経済計算体系(SNA)や国際比較のための海外の産業分類体系(ISIC、NAICS、等)とも関連する、産業統計の根幹に関わるテーマでもある。これらの検討を通じて、産業構造を正確に捉える上での今後の統計のあり方についても検討したい。
 2年目となる平成27年度は、年3回の共同利用研究会を開催し、その成果を共同研究リポート366として発行することができた。次年度において統計調査の個票情報を統計法33条に基づいて申請すべく準備をすすめており、データを用いた実証分析にとりかかる予定である。

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

統計数理研究所 共同研究リポート366
『産業構造の変容と公的統計の利用(中間報告2)』
 2016年3月発行
目次
・巻頭言, 1-3.
・松田芳郎「産業分類の変化の学説史的背景」, 5-8.
・作間逸雄「研究開発は資本形成か?」, 9-27.
・松本大吾・古隅弘樹・真崎弘二・松田芳郎「多国籍企業の分類基準に関して?平成21年経済センサス‐基礎調査にみる外資系企業の親会社所在地?」, 29-41.
・古隅弘樹「産業構造の変容の俯瞰の試み ?法人企業統計を用いて?」, 43-185.

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

【第1回共同利用研究会】
会場:統計数理研究所(立川市緑町10?3)2階 D210
日時:8月5日(水) 11:00〜15:00
出席者:古隅(代表)、松田、土屋、作間、金城、仙田
プログラム:
11:00〜12:00
 開会のあいさつ(研究代表者:古隅)
 参加者自己紹介
 報告1:共同利用研究の進捗と今年度の研究計画について(古隅・松田)
<昼食休憩>
13:00〜15:00
 報告2:公的産業統計を用いた産業構造変容の解析手法について(古隅)
 その他報告:
 検討課題:今後の研究計画、来年度の科研費・共同利用の申請、共研リポートの発行、等
15:00〜 個別打ち合わせ

【第2回共同利用研究会】
会場:統計数理研究所(立川市緑町10?3)セミナー室D312A
日時:1月21日(木) 11:00〜17:00
出席者:古隅(代表)、松田、作間、大矢、國方
プログラム:
11:00〜12:00
 開会のあいさつと研究概要の説明(研究代表者:古隅)
 報告1:産業分類の変化の学説史的背景
     松田芳郎(統計情報研究開発センター)
<昼食休憩>
13:00〜15:00
 報告2:研究開発は資本形成か?
     作間逸雄(専修大学)
 報告3:産業構造変容の観測の試み:法人企業統計を用いて
     古隅弘樹(兵庫県立大学)
<コーヒーブレイク>
15:30〜17:00
  その他報告
  検討課題:来年度(最終年度)に向けた研究計画と役割分担について
  個別打ち合わせ

【第3回共同利用研究会】
会場:統計数理研究所(立川市緑町10?3)統計思考院会議室
日時:3月17日(木) 10:00〜15:00
出席者:古隅(代表)、松田、馬場、金城、有田、岡本
プログラム:
10:00〜12:00
 報告1:企業・事業所統合データベースの構築と企業構造の変容について
     古隅弘樹(兵庫県立大学)
<昼食休憩>
13:00〜15:00
 検討課題:企業産業分類のあるべき方向性と提案について
 個別打合せ 16:00〜

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

大矢 奈美

青森公立大学

國方 明

青森公立大学

今 喜典

公益財団法人21あおもり産業総合支援センター

作間 逸雄

専修大学

土屋 隆裕

統計数理研究所

椿 広計

統計数理研究所

馬場 康維

統計数理研究所

松田 芳郎

公益財団法人統計情報研究開発センター

松本 大吾

青森大学

山本 俊

ノースアジア大学