平成31991)年度 共同研究実施報告書

 

課題番号

3−共研−69

専門分類

7

研究課題名

遺伝子構造データ解析のための統計的方法の開発

フリガナ

代表者氏名

ハセガワ マサミ

長谷川 政美

ローマ字

所属機関

統計数理研究所

所属部局

予測制御研究系

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

9 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

近年,遺伝子組み換え技術とDNA塩基配列決定法の進歩に伴ない,各種遺伝子構造データが急速な勢いで蓄積されつつある。そのようなデータから生物あるいは遺伝子の進化に関する新しい知見を得るための方法を開発することが本研究の目的である。


アミノ酸配列データから、たんぱく質の進化系統樹を最尤法によって推定するためのソフトを開発した。進化におけるアミノ酸置換の確率モデルとしては、Dayhoffによる経験的モデル(Dayhoffモデル)の他、Proportionalモデル、ポアソンモデルなどを比較した結果、実際にいろいろなデータについて、Dayhoffモデルが他のモデルよりもはるかに良い近似になっていることがわかった(AICで)。
ぼう大な数の可能な系統樹のトポロジーの中から。尤度最大のものを捜し出すために、Star-decomposition法というトポロジーサーチ方法を開発した。この方法を哺乳類の系統進化、ミトコンドリアをもたない真核生物の系統的位置などさまざまな問題に応用し、多くの新しい知見を得た。確率モデルを基づく統計的データ解析の重要性を明らかにした。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

M.Hasegawa,Y.Cao,J.Adachi,T.Yano "Rodent polyphyly ?" Nature 355, 1992年2月13日
J.Adachi, M.Hasegawa "MOLPHY:Program for Molecular Phylogenetics, I" Computer Science Monographs,No.27,1992年3月
橋本哲男、足立淳、長谷川政美 "アーケゾアの系統的位置" 日本分子生物学会 1991年12月18日

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

遺伝子構造データから生物の系統進化や遺伝子進化に関する知見を得るため,AICを基礎にしたデータ解析法を開発する。この際,系統樹のトポロジーの推定と分岐年代の推定という2つの問題を扱う。
4種類のDNA塩基の間の置換,あるいは20種類の蛋白質アミノ酸の間の置換に関して様々な確率モデルを試みることによって実際問題に適用できるような方法を確立する。本研究は,生物学・医学などの広範囲の領域と深く関わるので,いろいろな分野の人々の共同研究として組織することが是非とも必要である。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

大鷹 英子

広島大学

岸野 洋久

東京大学

中村 嘉宏

昭和大学

橋本 哲男

統計数理研究所

細谷 将彦

琉球大学

水田 啓子

広島大学

宮田 隆

京都大学

矢野 隆昭

昭和大学