平成クオ1989)年度 共同研究実施報告書

 

課題番号

クオ−共研−92

専門分類

8

研究課題名

人間関係意識の国際比較方法の研究

フリガナ

代表者氏名

ハヤシ チキオ

林 知己夫

ローマ字

所属機関

統計数理研究所

所属部局

名誉教授

職  名

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

8 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

欧米諸国における歌舞伎公演アンケートの分析を通して,各国間の感動の構造・人間関係意識の国際比較を行う。これらのデータを通して,新しい視点に立つ分析方法を開発し,国際比較研究・国際相互理解の核となる情報をとり出す。


欧米諸国における歌舞伎公演アンケートの分析を通して,各国間の感動の構造・人間関係意識の国際比較を行ってきた。これらのデータを通して,新しい視点に立つ分析方法を開発し,国際比較研究・国際相互理解の核となる情報をとり出すということが研究目的であった。しかし歌舞伎公演についての新たなアンケート調査は残念ながら得ることができなかった。
一方,前年度から中国における社会調査については,単純集計データを得て対象範囲が広がり,本年度は,その研究が中心になった。。
中国の調査は,家庭から社会一般まで多くの質問からなっている。その回答は,現代の中国の政治や社会情報に大きく依存する結果を表している。古くから言われている思想や感情構造がどの様に反映されているのか,分からないところが多い。調査の単純集計では,言われてきた思想や感情などはほとんど見えてこない。これらが本当は中国国民として無いのか,あるいは,考え方の底辺には存在しているのものの,調査の回答が教育の模範回答として出ているだけなのかを探ることができないか。文献検討と日本に歴史的な調査の記録との比較による研究を行ってきた。そして,中国の調査と日本とを比較するため,中国の質問を使った日本の調査が必要になってきた。他の機関からの補助金を得て平成元年3月に調査を実施した。結果の検討は次年度に行なう。なお中国側の調査はハワイのEast−West CeenterのChu教授によるもので,研究連絡を密にしており,今後,日本側の提案する調査票での調査実施も期待されている。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

口頭発表
1)林文,河竹登志夫,林知己夫:「歌舞伎を通して見た外国人観客の感情構造・予備的考察…意識の国際比較研究の基礎として」第17回行動計量学会大会(於岡山),1989.8.4.


研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

これまでに分析してきたアメリカ,イギリス,フランスのデータを再分析し,自由回答について詳しい分析を進める。前年度は中国における社会調査の集計データも得て対象範囲が広がることとなる。また,これまでのアンケートの質問にも検討を加えて,新たなデータを集める。国際比較研究の核となるのはこのような人間の感動の構造・人間関係意識であり,データからこれについての情報をひきだす。これは統計数理研究所の長年の国民性研究,国際比較との関係が大きく,共同研究の必要性がある。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

飽戸 弘

東京大学

岩男 寿美子

慶應義塾大学

河竹 登志夫

早稲田大学

高師 昭南

武蔵野美術大学

鈴木 達三

帝京平成大学

鈴木 裕久

東京大学

林 文

東洋英和女学院大学