平成111999)年度 一般研究2実施報告書

 

課題番号

11−共研−2038

専門分類

5

研究課題名

乱流の時計理論とその応用

フリガナ

代表者氏名

オカザキ タカシ

岡崎 卓

ローマ字

Okasaki Takashi

所属機関

統計数理研究所

所属部局

統計科学情報センター

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

45 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

乱流現象を支配する統計法則を明らかにし応用に寄与することを目指す本共同利用研究では,
2000年2月21日および22日の両日、講演会を開催し8講演を行った。
 各講演の内容は別紙の通りであるが、8講演中4講演は100分の長時間講演である。その狙い
は、乱流研究者が主なる関心を注いできた対象と成果を詳細に俯瞰する時間を持つのみではな
く、乱流が関与する現象にも拘わらず乱流理論の研究者が見逃してきた物理的工学的現象につい
て、その方面の専門家の研究内容をつぶさに知る機会を作ることにあった。異分野の研究には
独自の論理の展開方式があり、定式化がある。その実態を歴史的側面を踏まえて説明してもら
い、且つ講演中随時講演者と聴者の間に意見の交換がなされることを願って長時間講演を設け
た次第である。この企画は、大方の参加者にとってやや疎い面のあった液体の乱流に関する講
演「波動乱流としての海洋波」において特に効果を挙げたと考える。
 今年度で14回目を数える本研究会は、様々な乱流現象の物理的理解のみならず工学的応用の
促進をも一貫して目指してきた。従って参加者の考え方は広いスペクトルをもち、そのような参
加者が一堂に会して行われる研究発表と質疑討論は、乱流理論とその応用方法を多面的に検討す
る機会をもたらす。今回も乱流モデルを巡り一連の議論が展開された。一方では乱流モデルが
その長い歴史を経ても未だに工業的要求を満たさず、よって流体運動方程式の数値的直接積分で
足りるとする説があり、他方では、非線形効果の繰り込みを陰に陽に指導原理として発展してき
た乱流モデルは乱流現象の物理的な理解を達するためになされた科学的思考と工夫の表明であ
り、それ自体で既に学問的価値をもつというものであった。今回の議論を契機に、乱流理論の
あり方を深く考察し、乱流理論の技術的方法と思考法がより多くの研究者により深く理解される
途が開かれるものと期待する。
 もとより,本研究会を通じ参加者間に知識の伝達と情報の交換が行われ,相互啓発・研究交流
という所期の目的は充分に達成されたと考える。

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

本研究会における各講演と質疑討論の成果は、いずれ整備された形で関連学協会誌に掲載さ
れるものと考える。尚、共同研究リポート所載の各講演概要の添付文献を参照されたい。

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

有光 敏彦

筑波大学

有光 直子

横浜国立大学

石井 克哉

名古屋大学

石原 卓

富山大学

伊藤 公孝

核融合科学研究所

内田 雅之

統計数理研究所

大木谷 耕司

京都大学

甲斐 昌一

九州大学

金田 幸雄

名古屋大学

川合 光

高エネルギー加速器研究機構

河原 源太

愛媛大学

神部 勉

東京大学

木田 重雄

核融合科学研究所

木村 芳文

名古屋大学

木村 龍治

東京大学

後藤 俊幸

名古屋工業大学

駒木 文保

東京大学

斎藤 善雄

東邦大学

佐野 雅巳

東北大学

下村 裕

慶應義塾大学

高岡 正憲

京都大学

巽 友正

国際高等研究所

田中 光宏

岐阜大学

店橋 護

東京工業大学

坪田 誠

大阪市立大学

藤 定義

京都大学

富山 泰伸

東京都立大学

中内 紀彦

東邦大学

中野 徹

中央大学

長谷川 達也

名古屋工業大学

林 祥介

北海道大学

半場 藤弘

東京大学

樋口 知之

統計数理研究所

藤村 薫

鳥取大学

戸次 直明

日本大学

堀内 潔

東京工業大学

三浦 英昭

核融合科学研究所

水島 二郎

同志社大学

宮嵜 武

電気通信大学

柳瀬 眞一郎

岡山大学

山田 道夫

東京大学

山本 稀義

科学技術庁航空宇宙技術研究所

横山 直人

京都大学大学院

吉澤 徴

東京大学