平成222010)年度 一般研究2実施報告書

 

課題番号

22−共研−2030

分野分類

統計数理研究所内分野分類

d

主要研究分野分類

6

研究課題名

行動遺伝学におけるACDEモデルの実データに対する適用

フリガナ

代表者氏名

オザキ コウケン

尾崎 幸謙

ローマ字

Ozaki Koken

所属機関

統計数理研究所

所属部局

データ科学研究系

職  名

助教

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

1 人

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

行動遺伝学は主として双生児データを利用することで,表現型(観測変数)の個人差に対する遺伝の影響と環境の影響を明らかにする学問である。ここで,遺伝と環境はそれぞれ2種類に分類され,それぞれ,相加的遺伝(Aと略記)・非相加的遺伝(D)と共有環境( C)・非共有環境(E)である。これらの影響を推定するために,行動遺伝学では構造方程式モデリングを用いて,A,C,Eを同時推定するACEモデルあるいはA,D,Eを同時推定するADEモデルが使用されている。しかし,A,C,D,Eのすべてが表現型に影響を与えていることが真の状況にもかかわらず,ACEあるいはADEモデルを適用してしまうと推定量にバイアスがかかることが知られている。それを補正する目的でOzaki. et. al., (2011) は高次積率を用いたACDEモデルの開発を行った。本研究は,そのACDEモデルを実データに対して適用することで,モデルが実データの分析に適当であるか否かを検証すること,および,ACDEモデルを使った分析によって行動遺伝学における新たな知見を導き出すことを目的としていた。
本研究に関連する成果としては,論文1本,学会発表2件,学会における企画セッション1件を報告する。国際学会における発表では,本研究で想定していたモデルの発展モデルを実データに適用した結果も報告することができた。

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

論文発表
Ozaki, K., Toyoda, H., Iwama, N., Kubo, S., & Ando, J. (2011). Using non-normal SEM to resolve the ACDE model in the classical twin design.
Behavior Genetics, Vol.41(2), pp.329-339.
学会発表
Ozaki, K., Fujisawa, K. Keiko., Yamagata, S., Takahashi, Y., Sasaki, S., Shikishima, C., & Ando, J. (2010). GE interaction analysis on the univariate ACDE model. 40th Annual Meeting of the Behavior Genetics Association, Seoul, Korea.

尾崎幸謙 (2010). 行動遺伝学の基礎および,ACDEモデルの開発. 日本心理学会第74回大会第 ワークショップ:日本における数理心理学の展開XV?

学会における企画セッションの開催
2010年9月 第38回 日本行動計量学会 (於 埼玉大学)
企画委員セッション「行動遺伝学の新展開」
企画:安藤寿康(慶應義塾大学)・尾崎幸謙(統計数理研究所)
司会:安藤寿康
話題提供
山形伸二(慶應義塾大学)「行動遺伝学の方法とその中高生双生児データへの適用」
平石 界(京都大学)「行動遺伝学が実験経済学と出会うとき:GenoEconomicsの展開」
佐々木掌子(日本学術振興会,東京大学)「性同一性障害傾向の行動遺伝分析」
尾崎幸謙「統計学的視点からみた行動遺伝学」
指定討論:荘島宏二郎(大学入試センター)

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関