平成262014)年度 一般研究2実施報告書

 

課題番号

26−共研−2084

分野分類

統計数理研究所内分野分類

j

主要研究分野分類

7

研究課題名

離散最適化モデルを用いた持続的朝鮮山人参の生産管理

フリガナ

代表者氏名

コノシマ マサシ

木島 真志

ローマ字

Konoshima Masashi

所属機関

琉球大学

所属部局

農学部

職  名

准教授

配分経費

研究費

40千円

旅 費

278千円

研究参加者数

8 人

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

朝鮮山人参は, 現在, 韓国で最も収益価値の高い森林資源の1つとして期待されている.これまでの研究により, 山人参の作付けに適した林地に関する研究が進められており, 山人参の栽培に適した様々な条件が明らかになりつつある.また, 山人参の栽培は, 林地の土壌に大きな負担となるため, 収穫サイクルを適切に管理する必要があることが知られている.しかしながら, これらの知見を基に,生産管理を行うまでには至っておらず, 今後の山人参に対する需要拡大に対応するために, 効率的かつ持続的な生産を可能にする山人参生産の意思決定サポートシステムの開発が望まれている.そこで本研究は, 山人参生産の意思決定サポートを念頭に, 効率的かつ持続的な朝鮮山人参の生産管理を可能にする最適化モデルを構築することを目的とした.
 本年度の研究では,方法論の面で2つの成果を得た. 1つは地形や各管理ユニットの空間的配置により,管理の実施場所を特定できるようGIS(地理情報システム)を用いて,手順をとりまとめ,実際に既存のデータを用いてその応用を試みた.具体的には,地形のデータは数値標高モデル(DEM)を用いることが一般的であるが,このデータは5mメッシュや10mメッシュとして提供されており,管理ユニット(例えば,施業班)がどの程度の傾斜を持つのかといったデータを得るためには,管理ユニット内におけるすべての格子を評価し,それらから,各管理ユニットに対して代表値(例えば,平均)として1つの値を与える必要がある.そこで, ここでは, DEMの各格子の傾斜値とそれらの格子がどの管理ユニット内に位置するのかを明らかにしたデータベースを構築し, 各管理ユニットに対して, それに属する格子の傾斜角の平均値を自動的に計算するプログラムを構築した. また, 各管理の空間配置のデータに関しては, 各管理ユニットから最寄りの既存の林道までの距離を求める手順を取り纏めた. これは既存の林道のシェイプファイル(Line)にある一定の距離間隔のバッファリングを発生させ, そのシェイプファイルと管理ユニットのシェイプファイルをオーバーレイすることで, 管理ユニットの林道までの距離を把握するものである. これらのデータ( 傾斜角と林道からの距離)に基づき, 既存のデータを用いて,地形や空間配置の条件から管理の実施場所を特定することが可能となった. 方法論の面での2つ目の成果は, 時空間収穫最適配置パターンの探索において2回以上の収穫を可能にする最適化モデルの構築である. これまでの森林資源の収穫(木材伐採)の空間配置パターンを探索するシステムについては, 計画期間を短く設定し, 計画期間を通して, 各土地管理ユニットにおいては最大1回の収穫のみを考慮するモデル, あるいはシミュレーション的に2回の収穫を検討するものは研究されてきたが, 0-1整数計画法による定式化で最適な時空間収穫配置を探索した研究はない. しかし, 山人参の収穫サイクルは, 樹木の収穫サイクルよりは短く,計画期間において2回以上の収穫を検討することになる. 今回は, 単純な隣接制約のみを扱った時空間収穫最適配置パターンの探索において2回の収穫を可能にするモデル構築を行った.

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

特になし。

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

特になし。

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

加茂 憲一

札幌医科大学

Kee Taeyoung

Seoul National University

Seol Ara

Seoul National University

Chung Joosang

Seoul National University

Han Hee

Seoul National University

You Joungwon

Seoul National University

吉本 敦

統計数理研究所