平成81996)年度 共同研究A実施報告書

 

課題番号

8−共研−6

専門分類

1

研究課題名

外的基準を持たない多次元データに対する曲線当てはめについて

フリガナ

代表者氏名

ミズタ マサヒロ

水田 正弘

ローマ字

所属機関

北海道大学

所属部局

大学院工学研究科

職  名

助教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

3 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

各変量が説明変量と目的変量に分けることが可能な場合には、回帰分析や多変量回帰分析法によりデータに曲線を当てはめ、データの有する構造を記述・解析することができる。しかし、外的基準を持たないデータに対する曲線当てはめについては、それほど研究がなされていない。そこで、この種のデータに対する解析法の開発を目的とする。


多変量データが有する構造には多様な非線形構造が考えられるが、本研究では、曲線や曲面の近くに分布していると仮定できる構造を有するデータを中心に扱った。本年度は、代数曲線によるデータの当てはめ法の改良と評価に着手した。また、関連するツールの開発を試みた。
これまで、我々が開発した代数曲線当てはめ法のアルゴリズムでは、拡張ラグランジュ法を利用してきた。制約条件と目的関数を明確に記述できる方法であるが、Taubin による近似距離との関係が明確ではなく、数値計算的にも解決すべき課題が多い方法であった。そこで、本アルゴリズムをNewton-Raphson法を援用した方法に改良した。Newton-Raphson法における繰り返し回数を1回に制限すると、Taubin による近似距離と一致することが証明できた。これにより、アルゴリズムの改良のみならず、従来の研究との定性的な比較が可能になった。
関連研究として、代数曲線の表示方法を検討した。低次の代数曲線であれば多くの市販のソフトウェアで表示できるが、次数が大きくなるにつれて表示が困難になる。代数曲線とデータ点との距離を求める方法を利用して効率的に曲線を表示する方法を開発中である。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

小山一人、水田正弘、佐藤義治、データの曲線構造を表現する陰関数の導出法,応用統計学,25巻3号, 1997年3月25日

M.Mizuta: Algebraic Curve Fitting for Multidimensional Data with Exact Squares Distance., IEEE Int.Conf. on Systems, Man and Cybernetics, 1996年10月14-17日
Y.Baba: Classification Methods Based on Multinomial Models, 2nd World Conference of IASC, Pasadena, California, USA, 1997年2月19-22日

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

多変量データが有する構造には多様な非線形構造が考えられるが、本研究では、曲線や曲面の近くに分布していると仮定できる構造を有するデータを中心に扱う。このためのアプローチとしては、(1)一般化主成分分析法、(2)Principal Curves、(3)代数曲線あてはめ、などがある。今年度は、これらの比較検討を中心に共同研究を実施する。統数研の馬場助教授は従来から角度データの解析についての研究成果があり、その基礎のもとに種々のデータ解析法の研究・開発を行ってきた。また北海道大学の水田助教授は曲面的構造を解析する方法を研究・改良している。さらに小樽商科大学の南助教授はコンピュータの専門家である。そこで本共同研究によって非線形構造を統一的に解析するための基礎理論の構築を目指すことができる。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

馬場 康維

統計数理研究所

南 弘征

小樽商科大学