昭和611986)年度 共同研究実施報告書

 

課題番号

61−共研−50

専門分類

7

研究課題名

虚血性心疾患の診断精度に関する研究

フリガナ

代表者氏名

スガイ ジロウ

須階 二朗

ローマ字

所属機関

聖マリアンナ医科大学

所属部局

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

8 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

現在増加しつつある,いわゆる虚血性心疾患(狭心症,心筋梗塞)の発症に,高血圧,高指血症,高尿酸血症,糖尿病,喫煙,肥満などが危険因子としてあげられている。しかしこれら各因子がそれぞれどの程度に関与しているかは解明されていない。
本研究では,虚血性心疾患の発症に対する各因子の寄与を定量的に解析し本疾患発症の診断精度を改善しさらに予防医学的処置の資料にしたい。


目的:虚血性心疾患と冠危険因子との関係について検討した。
対象および方法:1.心筋梗塞303例を対象とし,冠動脈造影を含む臨床データ,およびアンケート調査より,再梗塞のある群(再群)とない群(非再群)の冠危険因子冠動脈造影所見および発症后の経過などについて両群間で比較検討した。2.心室期外収縮500個/日以上で日常喫煙習慣のある健常者および虚血性心疾患20例について,ホルター心電図により喫煙前,中,后の不整脈,心拍数を解析した。
結果および考察:1.再群では非再群に比べ,高脂血症および肥満を有するものが多く,性格,高血圧,糖尿病,高尿酸血症および喫煙などについては両群間に差を認めなかった。また冠動脈造影所見では,多板病度/1板病変以下の比率が,再群1.78,非再群0.87と前者で高く,冠動脈板別では,RCA,LADに有意狭窄を有するものが再群に多かった。さらに発症后の経過では,梗塞后胸痛を認めるものの頻度が高く,NYHA分類および心臓死の比率,III+IV+心臓死/I+IIでは,再群0.30,非再群0.11と前者が高く,再群は予后不良の傾向にあった。以上の結果は再梗塞予知,予防に有用な所見と考えられた。
2.日常生活中,喫煙前心拍数が50〜70/分では,喫煙により心拍数は増加傾向を示し,80〜100/分では心拍数の変動はほとんどなかった。期外収縮などについては,喫煙により心室期外収縮の増加や重篤な不整脈の発現はなく,多くの例で喫煙中はその前后に比し,減少傾向を呈した。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

1.成人病検診における冠危険因子(数量化理論による検討)(61年度,日本動脈硬化学会冬季大会):須階二朗,駒沢勉ほか。
2.心筋梗塞における再梗塞発症要因分析(第1回心筋梗塞研究会.1987.7.11発表予定):須階二朗,三宅良彦,亀谷学ほか。
3.1.について,「動脈硬化」(日本動脈硬化学会誌)に投稿中.(印刷中)


研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

現在増加しつつある,いわゆる虚血性心疾患(狭心症,心筋梗塞)の発症に,高血圧,高指血症,高尿酸血症,糖尿病,喫煙,肥満などが危険因子としてあげられている。しかしこれら各因子がそれぞれどの程度に関与しているかは解明されていない。
本研究では,虚血性心疾患の発症に対する各因子の寄与を定量的に解析し本疾患発症の診断精度を改善しさらに予防医学的処置の資料にしたい。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

岡村 哲夫

東京慈恵会医科大学

亀谷 学

聖マリアンナ医科大学

駒澤 勉

統計数理研究所

外園 光一

聖マリアンナ医科大学

花栗 睦和

聖マリアンナ医科大学

馬場 康維

統計数理研究所

三宅 良彦

聖マリアンナ医科大学