平成182006)年度 一般研究2実施報告書

 

課題番号

18−共研−2005

専門分類

1

研究課題名

Cubeのtorus へのランダムパッキング

フリガナ

代表者氏名

イトウ ヨシアキ

伊藤 栄明

ローマ字

Yoshiaki Itoh

所属機関

統計数理研究所

所属部局

数理・推論研究系

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

50千円

旅 費

310千円

研究参加者数

7 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

向きをそろえて辺の長さ1のcubeを辺の長さxのcubeにランダムに詰めてゆくとき充填率はどのようになるか、という問題は以前から議論されている。 x を十分大とするとd 次元cubeの場合の充填率は1次元の充填率のd乗になるというPalatiの予想が1960年代から議論されいるが、計算機実験の結果よりこの予想は成り立たないと考えられている。辺の長さ1である格子を考え、格子点の上にcubeの頂点がある離散的な向きをそろえたランダムパッキングを考える。辺の長さnのcubeを辺のながさ2nのcubeにランダムにつめてゆくという離散的ランダムパッキングを考え、nが十分大であるときに充填率の漸近的性質をもとめた. これを用いてPalastiの予想にかわるたとえばべき乗則について検討した.
Cubeではなくtorusへのランダムパッキング、すなわち周期境界条件のもとでで上記の問題を考えると、1次元、2次元の場合充填率は100%になり、3次元以上の場合は100%にならずに充填率は減少してゆく。このランダムパッキングから様々な離散幾何学的構造がえられ、確率的でない充填も興味深い課題であることがわかる。辺の長さnのcubeを辺の長さ2nのtorusへのランダムパッキングのランダムパッキングを考える. nが十分大であるとして連続モデルを考え, 得られる確率が正である構造の分類および数え上げを行った. 離散的な場合にくらべ議論が単純でわかりやすくなることがわかる.
主として海外の研究者の協力を得て研究を進めている。海外の共同研究者との交流を行い研究をすすめた。本研究にはは数学的な方法および、計算機により実際に幾何学的構造をしらべることが必要である。Mathieu Dutour 博士は数学の研究者として優れているだけでなく計算機プログラムの作成についても優れており、氏と共同で論文を作成中である。またロシアのSteklov 研究所のNikolai Dolbilin 教授と議論を行い次の研究の方向についての着想を得た。
Professor Achill Schuermann (Magdeburg University, Magdeburg)を一週間招聘し有益な議論を行うことができた.

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

・ Dutour, M., Itoh, Y., and Poyarkov, A.: Cube packings, second moment and holes, European Journal of Combinatorics, 28, 715-725.

   伊藤栄明, ランダムパッキングの数理と応用, システム/制御/情報 (発表予定)

http://www.ism.ac.jp/~sugimoto/ism07/sympo2007.html

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

2007年2月26-28日にISM symposium  Stochastic Models and Discrete Geometry を開催に協力した。
30名程度参加, (国外から5名)
http://www.ism.ac.jp/~sugimoto/ism07/sympo2007.html

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

宇澤 達

名古屋大学

高橋 久尚

東京大学

Michel Deza

Ecole Normale Superieure

Mathieu Dutour

Ecole Normale Superieure

Nikolai Dolbilin

ロシア Steklov Mathematical Institute

前原 闊

琉球大学