平成91997)年度 共同研究A実施報告書

 

課題番号

9−共研−113

専門分類

9

研究課題名

大気汚染の発生源寄与率を推定する統計的方法の研究

フリガナ

代表者氏名

サトウ マナブ

佐藤 学

ローマ字

所属機関

広島大学

所属部局

工学部

職  名

助教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

6 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

人体に慢性的に影響を与えるといわれている大気中の粒子状物質について発生源を推定してそれぞれの寄与率を統計的に推定する方法を研究する。従来の研究では発生源から観測点までの物質の変化の構造やモデルにおける係数が決定論的に論じられていた。統計的モデルを導入することによりデータに何を仮定したかが明確になり推定誤差の評価もできる。


これまでは、発生源寄与率が決定論的な立場に基づくモデルを用いて算出されていたので推定値の誤差評価をすることができていなかった。そこで、統計的モデルを導入することによってそれを可能にした。
また、既存の方法では、モデルに含まれている発生源プロフィールが既知の定数として取り扱われていた。
しかし、発生源プロフィールには、不確定性が含まれていると考える方が現実の現象により合うと考えられる。
そこで、新たにそれを確率変数としてモデルに取り込んだ解析方法を開発した。
それを実際のデータに適用したところ、有効な方法であることがわかった。
今後の課題として、喫煙本数の情報を適切に用いた推定方法の開発や主要な発生源の個数を決定するための検定法の導出が挙げられる。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

OHTAKI Megu, SATO Manabu and NITTA Hiroshi, Estimating source apportionment of particulate matters based on source profiles with fluctuations, Environmetrics,Vol.8, No.4, pp.341-350, 1997.
SETO Sinya et al., Relationship between number of daily airborne pollen of cryptomeria japonica and meteorological conditions in Hiroshima city, Bulletin of the Hiroshima Prefectural Institute of Public Health and Environment, No.5,pp.41-45, 1997.


研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

(1)主要な発生源がいくつあるのかという問題に対して統計的検定法の導出を試みたり、AICの適用について考えてみたい。(2)測定の技術的な理由により観測値が「測定限界以下であった」と報告されてくることが少なくない。そのため従来は、値をゼロとみなして取り扱うことが多かった。ここでは打切分布や切断分布を考慮した統計モデルを考えてみたい。統計数理研究所は第一線の研究者を擁し、かつ計算機資源も豊富であることから、共同研究をすることで多くの成果を期待できる。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

大瀧 慈

広島大学

金藤 浩司

統計数理研究所

瀬戸 信也

広島県保健環境センター

橋本 哲男

統計数理研究所

松浦 正明

広島大学