平成192007)年度 重点型研究実施報告書

 

課題番号

19−共研−4204

分野分類

統計数理研究所内分野分類

f

主要研究分野分類

2

研究課題名

相関をもつ数列に対する乱数検定法

重点テーマ

統計科学における乱数

フリガナ

代表者氏名

タケダ ユウイチ

竹田 裕一

ローマ字

Yuichi Takeda

所属機関

神奈川工科大学

所属部局

基礎・教養教育センター

職  名

准教授

配分経費

研究費

40千円

旅 費

0千円

研究参加者数

2 人

 

研究目的と成果(経過)の概要

 前職である中央大学21世紀COEプログラム「電子社会の信頼性と情報セキュリティ」の研究員として乱数の研究を行っており、現職の神奈川工科大学に異動した後も、中央大学の統計研究グループに参加し、研究を続けている。
 相関をもつ数列に関する乱数検定法として、自己相関係数を使った検定法の研究を行っている。乱数の検定として一般的に用いられる方法は、アメリカ国立標準技術研究所(NIST)のSpecial Publication 800-22で提案されている16個の検定法であるが、相関に関する検定を直接的に行っている検定法はない。実際に自己回帰モデルを使った0.1-乱数を発生させた簡単なシミュレーション実験の結果、NISTの検定法では高い検出力は得られなかった。これに対し、提案する自己相関係数を使った検定法では、相関が小さな場合でもNISTが提案する他の検定法より良い検出力が得られた。ただし相関の検定に関しては、単独のラグに対して検定をおこなってもあまり意味がなく、複数のラグに対する同時検定を行う必要があると考えられる。その場合の問題点として、いくつのラグを同時に検定を行えば良いのかという指標がない。同時に検定するラグの数が少ない場合、離れたラグ間での相関も見逃す可能性があり、またあまり多くのラグを同時に検定した場合、相関をもたないラグによって平均化されてしまい、検出できない可能性がある。
 平成19年度においては、統計関連学会連合大会や電子情報通信学会情報セキュリティ研究会(ISEC)などにおいて、NISTの乱数検定に関する問題点の指摘や、相関に関する検定法の提案などを行っており、Journal of Statistical Planning and Inferenceに論文を投稿中である。

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

「暗号に用いる乱数の統計的仮説検定」
藤井 光明,竹田 裕一,渡邉 則生,鎌倉 稔成,杉山 高一
日本統計学会誌, 第35巻, 第2号, 181-199 (2005)

「相関に関する検定と乱数検定について」
  平成19年度統計数理研究所乱数重点領域研究会
乱数の応用指向の特性評価とその周辺(2007)

「相関に関する検定と暗号に用いられる乱数検定について」
  竹田 裕一,藤井 光明,渡邉 則生,鎌倉 稔成,杉山 高一
  2007年度 統計関連学会連合大会

「暗号に用いる乱数検定と相関に関する検定について」
竹田 裕一,藤井 光明,鎌倉 稔成, 渡邉 則生,杉山 高一
  信学技報 Vol.107, No.397, 1-3 (2007)

上記の内容を含め、Journal of Statistical Planning and Inferenceに論文を投稿中

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

田村 義保

統計数理研究所