平成272015)年度 一般研究2実施報告書

 

課題番号

27−共研−2021

分野分類

統計数理研究所内分野分類

b

主要研究分野分類

5

研究課題名

複雑構造モデリングによる層流―乱流遷移後期過程における渦動力学の解明

フリガナ

代表者氏名

マツウラ カズオ

松浦 一雄

ローマ字

Matsuura Kazuo

所属機関

愛媛大学大学院

所属部局

理工学研究科生産環境工学専攻

職  名

准教授

配分経費

研究費

40千円

旅 費

0千円

研究参加者数

2 人

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

流れが層流から乱流に遷移する過程の確かな予測と制御は流体力学における基礎的重要課題の一つである。工学的な観点からも航空機の主翼回り流れ,ガスタービン翼列流れ,配管内部流れなどさまざまな場面で機体安定性,効率,騒音・振動に関連し問題となる。これまで線形安定性理論,弱非線形安定性理論,過渡増幅理論やエネルギー法といった様々な安定性解析や直接シミュレーション(DNS)により遷移過程が調べられてきたが,今尚層流の終焉と乱流の発生には未解決問題が残る。特に,遷移の後期過程においてどのような渦構造が現れ,相互干渉し,乱流化してゆくかは曖昧模糊としている。そこで本研究では,特に平板境界層を対象としてDNSを実施し,得られる大規模非定常データを統計解析し,層流乱流遷移後期過程における渦動力学を解明する研究を行う。本年度は,主流マッハ数0.5の層流境界層のせん断における直線渦管の発達について調べた。その結果,次のことが分かった。渦管の循環が小さいとき,渦は減衰あるいは引き延ばされる。循環が大きいとき,元々導入した渦に平行する渦が形成され,それらの連結が生じ,流れの乱雑化が起きる。循環が中間の時,直線渦の周りにヘアピン渦が並んで形成される。渦管が形成するせん断層の線形安定性解析を行い,ヘアピン渦を形成する発端となる機構について明らかにした。

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

K. Matsuura, "Numerical simulation of a straight vortex tube in the shear of a laminar boundary-layer flow," Proc. of AsiaSim 2015, pp.1-2 (2015).

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

なし

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関