平成91997)年度 共同研究A実施報告書

 

課題番号

9−共研−6

専門分類

1

研究課題名

空間の敷き詰めおよびフラクタルに関する統計モデルの研究

フリガナ

代表者氏名

イシカワ ユキナオ

磯川 幸直

ローマ字

所属機関

鹿児島大学

所属部局

教育学部

職  名

助教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

2 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

空間のランダムな敷き詰め(多角形のランダムな配置)、曲線のランダムな配置、フラクタル図形のランダムな配置、等に関する Gibbs 的な統計モデルを開発し、現実のデ−タに適用することを目的とする。とくに、配置が定常な場合だけでなく、フラクタルになっている場合にも、統計モデルを開発することを目指す。


研究課題に掲げた2つのテ−マのうち、フラクタルに関する統計モデルの研究に関して、新しいモデルを考案し、その数学的性質を調べ、またシミュレ−ションによる研究を行った。具体的には、様々な半径の円をパッキングしてできるフラクタルについて、deterministic にパッキングする場合およびランダムにパッキングする場合の両方について研究した。
はじめに古典的な (deterministic な)パッキングである Apollonius パッキングから研究を始め、その数学的性質に関して新しい事実を発見した(これについては下記の Conference で発表予定である。)また、もっと一般の deterministic なパッキング(たとえば Steiner パッキング)についてもいくつかの結果を得た(これについても発表する予定)。ところで deterministic なパッキングは、一見、統計モデルと無関係のように思われるが、これは誤りである。それを母体にして、そこから様々種類のランダムサンプリングを行うことにより、同じ数だけの統計モデルを得ることが出来る。
特に高次元空間での deterministic なパッキングのランダムセクションが興味深いが、これについて現在、共同研究中である。一方、本来的にランダムなパッキングについても、いくつかのモデルを共同研究中である。とくに、共同研究者の一人である種村が以前から継続的に研究している、シ−クエンシャルなディスクパッキングに関して、それがどのような場合にフラクタルとなるか、は興味深い問題である。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

Yukinao ISOKAWA
Shape of Osculatory Disk Packing
International Workshop on Combinatorics and Statistical Science
11th Franco-Japanese Conference
1998,July,21-23

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

空間点過程に関する統計モデルとしては、十分一般性がありかつ柔軟なモデルとして、Gibbs 点過程が知られていて、様々な分野で大いに利用されている。しかし、点ではないもっと一般の図形の統計的取り扱い、たとえば、多角形・曲線・フラクタル図形のランダムな配置に関しては、Gibbs点過程に匹敵する一般的モデルの研究は、大きく立ち後れているのが実状である。本共同研究においては、これまで Gibbs 過程・Voronoi 分割・Random Packing 、等に関して研究を行ってきた磯川が、同じ関心を共有し研究を継続してきた種村と協力して、敷き詰め、フラクタルに関する新しい Gibbs 的な統計モデルを開発し、さらに現実の問題に応用することを目的とする。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

種村 正美

統計数理研究所