昭和621987)年度 共同研究実施報告書

 

課題番号

62−共研−6

専門分類

1

研究課題名

“データ解析の知識ベース構築”の基礎研究

フリガナ

代表者氏名

シバタ リテイ

柴田 里程

ローマ字

所属機関

慶應義塾大学

所属部局

理工学部

職  名

助教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

20 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

最近の人工知能技術の進歩は,さまざまな分野でのエキスパートシステムの構築を容易にしつつある。しかし,データ解析に関する限りその成否は,推論機構よりも知識ベースの充実と質にかかっている。本研究ではデータ解析のエキスパートシステムの基礎研究を行なうと共に,その知識ベースが満すべき要件,組織立てについて研究を行なう。またその結果に基づく構築実験も併わせて行なう。


本研究実施の形態として,特筆すべきことは,研究会を開いて研究を進めるだけでなく,計算機ネットワークを介して,オンラインでの共同研究を行なう点である。
研究会:
4/23 宇田川拓雄(北海道教育大)
(統数研)“胃ガンと食事のデータ解析”
三浦良造(大阪市大)
“古代史データの解析”
石橋雄一(日電)
“解析に必要な知識”
椿広計(慶應理工)
“SAS’による解析例”
石黒真木夫(統数研)
“統計的計算環境について”
渋谷政昭・柴田里程(慶應理工)
“Electronic Journal of Data Analysisの構想”
7/27 〓村功(名大)
(名大工)“データ解析のDecision Treeについて”
丹後俊郎(都立臨床研)
“データ解析言語について”
小林正人(京大経済研)
“エキスパートシステムのその後”
渋谷政昭(慶應大理工)
“統計解析のためのデータ・タイプ記述の定式化”
9/7 J.チェンバース(Bell研)
(統数研)“Present and Future of S’”
R.ベッカー(Bell研)
“Anditing of Data Analysis”
M.キャメロン(CSIRO)
“Use of S’ in CSIRO for applied statistical research and consulting”
石橋,武田(日電)
“Experimental Expart System”
W.Gale(Bell研)
“An Interactive Environment for Acquisition of Data Analysis Strategies”
W.Polaseb and M Hitz(ウィーン大)
“Promeda:A Program System for Robust Multivaniate Exploratory Data Analysis”
12/12 刈谷大治(山口大)
(統数研)“遠隔利用者のためのネットワーキング”
柴田里程(慶應理工)
“isnvaxsの現状,内容,方針”
渋谷政昭・柴田里程(慶應理工)
“統計解析のためのデータ記述形式の標準化”
三浦良造(大阪市大)
“古代史データの形式化”
中野純司(徳島大)
“Appoloを用いたデータ解析”
仁木直人(九州大)
“統計データの型づけ”
宇田川拓雄(北海道教育大)
“米国大学におけるコースウェアの評価”
2/23 小林康幸(島根大)
(統数研)“Data Dictionary/Directory System of a Statistical Data”
渋谷政昭・柴田里程(慶應理工)
“Data Description Rules”
以上の会合での議論に沿って研究所のVAX stationをEJDA実験システムとして整備し,電話回線2本によって,共同研究員が24時間アクセスできるよう62年9月より運用開始した。研究員以外でも,様子はみることができるようにしてある。現在,このシステムの主な内容は各種のニュース,ソフト(TIMSAC,Sの新しい関数),データ(Herzbery & AndrewsのData)などである。もっとも大きな成果は,データとその属性の記述についてのルールの試案を得たことである。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

研究発表
統計数理35 pp.81〜87
(1987)
応用統計学会年会(1987年4月)
渋谷・柴田・椿“データ解析の電子ジャーナル”
統計学会年会(1987年7月)
渋谷・柴田“データの形式的記述”
IASC第1回国際会議(1987年9月)
柴田・渋谷“Formal Description of Data Type for Statistical Analysis”
発表論文
渋谷・柴田“Electronic Journal of Data Analysis”の構想


研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

昨年からの2回に亘る準備会で,このような知識ベースの構築には,全国のさまざまな分野の教育者,研究者,実務家の力を結集しやすい,統計数理研究所を中心とした共同研究の形態が望ましいとの結論を得た。
本研究では,出発点として,また共同研究の基盤としてElectronic Journal of Data Analysisの検討を行なう。すなわち,電話回線を通じて統計数理研究所に置いた計算機に,解析例,ソフトウェアを中心に投稿し,この査読,検証,講読をも電話回線,計算機を介して行なうものである。距離,時間,分野の違いを乗り越えデータを中心にした知識の蓄積を効率的に行なうには,このような基盤がぜひ必要である。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

荒畑 恵美子

統計数理研究所

安斎 寿美

一橋大学

石黒 真木夫

統計数理研究所

打浪 清一

九州工業大学

大隅 昇

統計数理研究所

大瀧 慈

広島大学

刈谷 丈治

山口大学

北川 源四郎

統計数理研究所

北村 新三

神戸大学

小林 正人

横浜国立大学

駒澤 勉

統計数理研究所

渋谷 政昭

高千穂商科大学

高橋 一

一橋大学

田辺 國士

統計数理研究所

田村 義保

統計数理研究所

垂水 共之

岡山大学

中村 隆

統計数理研究所

間瀬 茂

東京工業大学

三浦 良造

一橋大学