平成111999)年度 一般研究2実施報告書

 

課題番号

11−共研−2036

専門分類

5

研究課題名

不完全情報下における制御系設計に関する研究

フリガナ

代表者氏名

ミヤサト ヨシヒコ

宮里 義彦

ローマ字

Miyasato Yoshihiko

所属機関

統計数理研究所

所属部局

予測制御研究系

職  名

助教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

20 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

自動制御系の設計にあたっては、構築するモデルの種類や精度により、適用可能な制御手法の種類
や達成できる性能が規定される。この十年ほど、制御科学の分野でその問題に対して多くの関心が集
まり、さまざまな研究成果が得られた。中でもH∞制御に代表されるロバスト制御理論の成果は、モ
デル誤差と制御系の安定性や制御性能との関係を厳密に規定した点で、制御科学の発展に多大の貢献
をしたが、同時に制御系設計を考慮したモデリング手法の開発という新たな課題ももたらした。また
バックステッピングやフォワーディングなどの手法は、厳密な線形化に代わる非線形制御または適応
制御の新たな手法として広く適用できることが明らかになりつつあるが、それと同時に、これまで以
上の精度での非線形構造の同定という問題も生み出した。制御におけるモデリングとは、それ自身が
問題の終端ではなく、それをもとに構成された制御系の総合性能を規定する一要素としての意味合い
を持つ。それに由来して、制御とモデリングを含めた統合化設計(逐次設計、ウィンドサーファ・ア
ルゴリズム、同時設計)が数多く提唱されているが、制御に必要なモデリングとそれに含まれる誤差
の厳密な解析という問題が未解決のため、大きな成果は得られていない。
 このような制御科学の新たな局面を見据えながら、これまで以上に緊密な関係にあるモデリングと
制御系設計の問題に対して、統計科学と制御科学の分野で得られた成果をもとに、制御系の新たな統
合化設計理論を構築するのが本共同研究の目的である。ロバスト制御を考慮したロバスト同定、モデ
リングと制御系設計を逐次的に行うウィンドサーファ・アルゴリズム、非線形構造を積極的に取り入
れたバックステッピングやフォワーディングに基づく非線形適応制御、逆最適制御理論と非線形素子
を併用した知能化適応制御などの問題に対して、これまでの研究では無かった制御科学と融合した統
計科学の視点を含めることにより、当該問題の解決のための新たなブレイクスルーを追求していく。

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

それぞれ関連する文献としては以下のものがあげられる。
津村幸治:不確かさと制御系の同時設計,計測と制御,Vol.37,No.4,241-248,1998。
津村幸治:ロバスト制御システムの位相構造について,計測自動制御学会論文集,Vol.35,No.4,
496-505,1999。
川崎能典,北川源四郎,佐藤整尚,田中直毅:時系列モデルによる金融政策の分析とシミュレーショ
ン,ISM Research Memorandum,No.701,10/14/1998。

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

足立 修一

宇都宮大学

荒畑 恵美子

統計数理研究所

池田 建司

徳島大学

石黒 真木夫

統計数理研究所

伊藤 聡

統計数理研究所

大久保 重範

山形大学

小原 敦美

大阪大学

北川 源四郎

統計数理研究所

北森 俊行

法政大学

新 誠一

東京大学

陶山 貢一

東京商船大学

瀬部 昇

九州工業大学

田村 義保

統計数理研究所

津村 幸治

東京大学

中野 和司

電気通信大学

延山 英沢

九州工業大学

半場 滋

琉球大学

樋口 知之

統計数理研究所

和田 清

九州大学