平成272015)年度 一般研究2実施報告書

 

課題番号

27−共研−2083

分野分類

統計数理研究所内分野分類

j

主要研究分野分類

7

研究課題名

獣害被害軽減のための効率的な土地利用空間配置の探索

フリガナ

代表者氏名

コノシマ マサシ

木島 真志

ローマ字

Konoshima Masashi

所属機関

琉球大学

所属部局

農学部

職  名

准教授

配分経費

研究費

40千円

旅 費

156千円

研究参加者数

4 人

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

 本研究では,獣害被害の効率的,かつ効果的な軽減に向けた管理の在り方を検討する基礎研究として,エージェントベースモデルを利用した獣害被害拡散,および予測に関するシミュレーションモデルを構築することを目的とした. そして構築したモデルを用いて様々な管理が被害程度へ及ぼす影響を評価・比較した。
 本研究で構築したモデルは、異なる植生状態からなる2500セル(50X50)の仮想空間上で仮想動物の動きをシミュレーションする。各セルに与えられた植生状態の情報は、餌の量を表し、動物は餌の多い場所に高い確率で移動し、被害を及ぼす。動物は1タイムステップで1セル移動する。本研究では、緩衝帯を保護したい農地の周囲に設置することで動物による被害がどの程度軽減できるかを評価するため、幅や隙間の異なる様々な緩衝帯の空間配置パターンによる被害規模を比較した。なお、シミュレーションモデルはCプログラミング言語で実装し、シミュレーションは500タイムステップで行った。緩衝帯管理に掛かるセルあたりの費用が一定と仮定すると、緩衝帯に割り当てられたセルの数が多いほど、費用が高いことを表す。我々のシミュレーション結果は、費用が高くなるにつれて、被害が減少することを示したが、緩衝帯の追加的な効果は、費用が増加するに伴い、減少する可能性を示唆した。また、単に、多くのセルを緩衝帯として管理すれば、被害が減るというわけではなく、緩衝帯に隙間があると、その被害軽減効果が減少することが示された。それゆえ、緩衝帯の空間的配置も考慮する必要があると考えられる。今後の研究課題として、シミュレーションモデルにおいて実際の動物の動きに近づけるため、より細かな環境設定が必要であると考えられる。また、様々な種類の管理方法を考慮することで、被害を抑えるための効果的かつ効率的な管理を模索できると考えられる。

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

Nishimori,Y., Konoshima,M., Multi-Agent Model for Controlling Wildlife Damages on Agricultural Crops, The 2015 International Symposium on Sustainable Forest Ecosystem Management in Rapidly Changing World,SFEM2015, 9月1日, Chiayi City, Taiwan

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

加茂 憲一

札幌医科大学

吉本 敦

統計数理研究所

Razafindrabe Bam Haja

琉球大学