平成212009)年度 重点型研究実施報告書

 

課題番号

21−共研−4105

分野分類

統計数理研究所内分野分類

a

主要研究分野分類

3

研究課題名

パッチを基礎とした極相林維持機構解明の野外調査法と統計解析

重点テーマ

フィールド生態学と統計数理

フリガナ

代表者氏名

マナベ トオル

真鍋 徹

ローマ字

Manabe Tohru

所属機関

北九州市立自然史・歴史博物館

所属部局

自然史課

職  名

学芸員(地学担当係長)

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

2 人

 

研究目的と成果(経過)の概要

多様な撹乱履歴を持ち様々な再生過程にあるパッチ(小斑)のモザイクである極相林の維持機構を理解するには、1)極相林を構成する代表的なパッチを抽出し、2)それらパッチの構造や動態に関わるパラメータを調査し、3)各パッチのそれらパラメータを比較検討するというボトムアップ的な手法が有効である。ところが極相林でパッチを客観的に認識し抽出するための調査法や統計解析法はこれまで未開発であったため、我々は照葉樹極相林において主要なパッチを客観的に抽出するための野外調査法および統計解析法を構築した。
 さらに、客観的に抽出されたパッチの構造および動態特性を評価するための手法を検討した。研究期間内に、これまでに抽出したパッチ(調査区)においてマーキングを施しておいた調査対象個体の構造などの再測定を行った。その結果、パッチの撹乱履歴によって、パッチ内群集の動態に大きな相違が生じていることが判明した。従って、極相林の維持機構を解明するためには、パッチレベルでの個体群の動態評価が不可欠であると考えられた。しかし、その相違がどのような要因に規定されて生じているのかを定性的・定量的に評価するための手法の構築には至らなかった。

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

Manabe, T., Shimatani, K., Kawarasaki S., Aikawa, SI & Yamamoto, SI. 2009. The patch mosaic of an old-growth warm-temperate forest: patch-level descriptions of 40-year gap-forming processes and community structures. Ecological Research, 24: 575-586.
真鍋徹. 今さらながら森林のギャップ・ダイナミクスを探る. 「観察・データ・モデルの狭間を漂う統計数理:生態学におけるその役割と展望」, 統計数理研究所シンポジウム, 2010年3月.

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

島谷 健一郎

統計数理研究所